岡崎裕子 / 落合多武 / オノ・ヨーコ / ヴァルダ・カイヴァーノ / クゥワイ・サムナン / 菅 木志雄 / 杉戸 洋 / シュシ・スライマン / リチャード・タトル / 長井朋子 / 蜷川実花 / 廣瀬智央 / 福永大介 / 藤田匠平 / 三宅信太郎 / パウロ・モンテイロ

「Fall for Art」

杉戸洋 Hiroshi Sugito twenty 2004 etching, drypoint image: 35.5 x 45.0 cm frame: 37.2 x 46.6 cm ed. 20 ©Hiroshi Sugito

夏の終わり、秋の入り口に、ふと、じっと眺めたくなるような、密やかに心踊る小作品を展示いたします。

出展作家:ダン・アッシャー、岡崎裕子落合多武オノ・ヨーコヴァルダ・カイヴァーノクゥワイ・サムナン菅木志雄杉戸洋シュシ・スライマンリチャード・タトル、ジーン・ダニング、ゲルト&ウーヴァ・トビアス、長井朋子蜷川実花廣瀬智央福永大介藤田匠平、ジョン・プラプチャック、三宅信太郎パウロ・モンテイロ

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プレスに関するお問い合わせ先:
Tel: 03-6459-4030 (小山登美夫ギャラリー オフィス)
Email: press@tomiokoyamagallery.com (プレス担当:岡戸麻希子)
展覧会担当:長瀬夕子
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作家プロフィール

岡崎裕子

岡崎裕子は1976年東京都生まれ。株式会社イッセイミヤケにて広報として勤務した後、茨城県笠間市の陶芸家・森田榮一氏に弟子入り。5年の修業期間を経て、2007年に独立。現在は、海と山に囲まれた自然豊かな横須賀に自宅兼陶房を構え制作活動をしています。

落合多武

落合多武は1967年神奈川県生まれ。1990年和光大学卒業後に渡米し、1993年ニュ−ヨーク大学芸術学部大学院修了。現在ニューヨークを拠点に制作活動を行っています。

主な展覧会として、「クリテリオム16 落合多武 “ショッピングバッグ” 」(水戸芸術館、茨城、1995年)、「MOT Annual フィクション?―絵画が開く世界」(東京都現代美術館、東京、2002年)、「Flashback」(Kunstverein Freiburg、フライブルグ、ドイツ、2005年)、「夏への扉―マイクロポップの時代」(水戸芸術館、茨城、2006年)、「ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」(原美術館、2009年[ケルン日本文化会館、2009年他多数巡回])、「スパイと失敗とその登場について」(ワタリウム美術館、東京、2010年)、「横浜トリエンナーレ2011:Our Magic Hour」(横浜美術館、その他周辺地域、神奈川)、「輝板膜タペータム」(銀座メゾンエルメス フォーラム、東京、2021年)などがあります。

2016年には『リ、ワイルド』」(アラタニウラノ、東京)にて、映像作家の大木裕之との日本とニューヨーク間でのやりとりによる共作のドローイングや映像、その場で作り上げられた立体、など新しい試みをしました。その時に発表した「灰皿彫刻」は2017年ニューヨークのTeam Galleryでの個展「Tarragon, Like a Cat’s Belly」でも展示され大きな話題になりました。また近年では、日光でのアン・イーストマンのトレッドソン別邸プロジェクトに関わり、国内外の様々なアーティストと共にアートの実験に取り組んでいます。

落合作品は、国立国際美術館、国際交流基金、東京都現代美術館、ドイツ銀行、高橋コレクションに収蔵されています。

オノ・ヨーコ

オノ・ヨーコは1933年東京生まれ。幼少期より自由学園にて、生活と芸術を分ける事のない音楽の早教育に接し、終戦後学習院女子部に入学。1952年には女子学生として初めて同大学の哲学科に入り、マルクス主義と実存主義に強い影響を受けました。1953年家族とニューヨークに転居し、サラ・ローレンス大学に入学。音楽と詩を学び、ニューヨークの前衛芸術の中心的な存在として活動。1962年に東京に戻り、青山の草月会館で作品を発表。その後世界中で展覧会やパフォーマンスを行い、オリジナルな作品を発表し続けました。
1990年代に入ると自身に関わる様々な暴力と、世界に起きた戦争などの暴力の記憶が交差するようなテーマを掘り下げ、現在ではインターネットを通して数多くの人と交信し、世界中にメッセージを発信し続けています。

これまで世界中の美術館で数多くの展覧会を行っていますが、近年の大規模な個展としては、2015年ニューヨーク近代美術館での「Yoko Ono:One WomanShow, 1960-1971」、2015-16年東京都現代美術館「YOKO ONO: FROM MY WINDOW」があり、共に大きな反響を呼びました。その他の主な展覧会として、2000-02年にNYのジャパン・ソサエティーが企画した回顧展「YES オノ・ヨーコ」展は北米6都市を巡回し、アメリカ美術批評家国際協会のNYでの最優秀美術館展賞を受賞。その後2003-04年アジア巡回、東京都現代美術館、水戸芸術館現代美術ギャラリー、広島市現代美術館など日本の5都市を巡回しました。

2011年には広島市現代美術館において、第8回ヒロシマ受賞記念オノ・ヨーコ展「希望の路 YOKO ONO 2011」、小山登美夫ギャラリーにて初めての個展『灯』を開催。2012年にはロンドンでの初の個展「Yoko Ono: TO THE LIGHT」がサーペンタイン・ギャラリーにて、2013年には回顧展「Half-A-Wind-Show」がドイツのシルン美術館を皮切りに、スペインのグッゲンハイムビルビオ美術館、ルイジアナ近代美術館を巡回。最初の1ヶ月で3万人を動員し話題となりました。2009年ヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞生涯業績部門受賞。2016年5-6月に、小山登美夫ギャラリーでは2011年に次ぐ個展となる「硝子の角」(北参道)、「見えない花」(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery)を同時開催致しました。

ヴァルダ・カイヴァーノ

ヴァルダ・カイヴァーノは、1971年アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれ。2004年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートにて修士号を取得しました。その以前には、ブエノスアイレス大学にて生物学と美術史専攻し、2000年代初期にイギリスに拠点を移し、ゴールドスミス・カレッジにて学士を取得。現在もロンドンを拠点に制作しており、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートおよびアムステルダムのアーティストレジデンス施設であるDe Ateliersにて客員講師を務めています。

主な個展として、2016年小山登美夫ギャラリー、2015年シカゴ大学ルネッサンス・ソサエティでの「The DENSITY of the ACTIONS」、Victoria Miro(ロンドン、2015年、2011年、2005年)などがあります。批評家の美術評論家のバリー・シュワブスキーは、2011年にVictoria Miroでの個展「Voice」について、「この展覧会『Voice』において、カイヴァーノはロンドンで最も将来を約束された若手ペインターから、年齢、地域に関わらず、現在最も優れたペインターのうちの1人へと変身を遂げた。」(Art Forum 297頁、2011年5月)と評しました。主なグループ展には、2013年第55回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の企画展「エンサイクロペディック・パレス(The Encyclopedic Palace)」、2012年光州ビエンナーレ2012(韓国)があります。日本では国立国際美術館に作品が収蔵されています。

クゥワイ・サムナン

カンボジアで最も重要な若手アーティストの一人であるクゥワイ・サムナンは、写真、ビデオ、インスタレーション、彫刻、そしてパフォーマンスなど様々なアプローチによって、歴史、文化、様々な事象についての新たな視点、解釈を探求しています。主にカンボジアという特定の文脈におけるテーマをとりあげますが、彼の作品は往々にして普遍的なものも映し出します。土地にまつわる流動性、歴史性、継続する社会的・政治的な問題に彼は興味をもってきました。

「何かについて学びたければ、十分に時間を費やし、そして本当に楽しまなければならない」。そう話すクゥワイの作品はユーモアに満ちたものが多く、一見滑稽な行為のように思えるパフォーマンスの中に、何層も意味や象徴性、問題提起をもたせるのがクゥワイの作品の特徴といえます。

クゥワイ・サムナンは1982年カンボジア生まれ、2006年プノンペンのRoyal University of Fine Artsを卒業。プノンペンのSA SA BASSAC(2011、2012、2014年)、2014年小山登美夫ギャラリーシンガポールで、2015年パリのジュ・ド・ポーム国立美術館とボルドー現代美術館、アメリカのオレンジ郡立美術館、2016年にアメリカのサンタバーバラ現代美術館、2019年にはミュンヘンのハウス・デア・クンストで個展を開催しました。主なグループ展にドクメンタ14(ドイツ、2017年)、第8回アジア・パシフィック・トリエンナーレ(2015年)、第4回シンガポールビエンナーレ (2013-14年)、「Sights and Sounds: Global Video Art」(The Jewish Museum、ニューヨーク、2013年)があります。クゥワイは2010年、2011年にトーキョーワンダーサイトのTWSクリエーター・イン・レジデンスに滞在、また2014-2015年ベルリンのBethenian Künstlerhausで滞在制作しています。

http://www.khvaysamnang.com

菅 木志雄

1944年岩手県盛岡市生まれ。1968年多摩美術大学絵画科を卒業。現在静岡県伊東市で制作活動を行なっています。

菅木志雄は、60年代末〜70年代にかけて起きた芸術運動「もの派」の主要メンバーであり、同時代を生きる戦後日本美術を代表するアーティストとして、独自の地平を切り開いてきました。 インド哲学などの東洋的思想に共鳴した自身の哲学を基に、石や木、金属といった「もの」同士や、空間、人との関係性に対して様々なアプローチをしかけ、「もの」の持つ存在の深淵を顕在化すべく作品制作をしています。「もの派」への再評価が確固たるものになった今日もなお菅はその思考を深化させ、尽きる事のない制作への情熱が、作品の現在性を生んでいると言えるでしょう。

菅は、1968年の初個展から現在に至る50年以上のキャリアの中で幾多もの展覧会に出展してきました。近年の大規模な展覧会として、2016年イタリア、ミラノのファンデーションPirelli HangarBicoccaでの展覧会をはじめ、イギリス、スコットランド国立近代美術館でのカーラ・ブラックとの二人展、アメリカ、ニューヨークのDia Art Foundationでの個展と、欧米の美術館において連続して展覧会を開催。2017年第57回ヴェネツィアビエンナーレ国際展「VIVA ARTE VIVA」では水上でのインスタレーションとして代表作「状況律」を再制作して大きな注目を浴び、同年長谷川祐子氏キュレーションによるフランスのポンピドゥ・センター・メッスで開催された「ジャパノラマ 1970年以降の新しい日本のアート」展にも出展しました。
国内では、2014年 – 2015年ヴァンジ彫刻庭園美術館にて「菅木志雄展」、2015年には東京都現代美術館にて「菅木志雄 置かれた潜在性」と、2つの個展が同時期に開催され大きな話題となりました。作品は国際的にも高い評価を受けており、ポンピドゥ・センター、テート・モダン、ダラス美術館、ディア美術財団、ニューヨーク近代美術館、ハーシュホーン美術館彫刻庭園、M+や、東京国立近代美術館、東京都現代美術館をはじめ、国内外幾多もの美術館に収蔵されています。

その他の情報は、下記URLよりご覧下さい。
https://www.kishiosuga.com/

杉戸 洋

杉戸 洋は1970年愛知県生まれ。1992年愛知県立芸術大学美術学部日本画科卒業。現在、東京藝術大学美術学部絵画科油画准教授。 1990年代の活動初期から国内外での活躍が目覚ましく、主な個展として、「FOCUS」(フォートワース現代美術館、アメリカ、2006年)、「天上の下地 prime and foundation」(宮城県美術館、仙台、2015年)、「frame and refrain」(ベルナール・ビュフェ美術館、静岡、2015年)、「こっぱとあまつぶ」 (豊田市美術館、愛知、2016年)、「杉戸洋 とんぼ と のりしろ」(東京都美術館、東京、2017年)の他、ロサンゼルスのMarc Foxx Galleryでも8度の個展を開催しています。
主なグループ展としては、「ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開(キュレーション:松井みどり)」(原美術館、東京、2009年、以後ケルン日本文化会館、ドイツ、2010年 / トロント日本文化センター、カナダ、2010年 / Galeri’a Arnold Belkin: Museo Universitario del Chopo、メキシコシティ、メキシコ、2010年 へ巡回)「絵画の庭-ゼロ年代日本の地平から」(国立国際美術館、大阪、2010年)「ロジカル・エモーション― 日本現代美術展」(ハウス・コントルクティヴ美術館、チューリッヒ、2014年、以後クラコフ現代美術館、ポーランド、2015年/ ザクセンアンハルト州立美術館、ドイツ、2015年 へ巡回]、「開館15周年記念展『生命の樹』」(ヴァンジ彫刻庭園美術館、2017年)、「三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館」(松濤美術館、東京、2017年)など多数の展覧会に参加しています。
平成29年度(第68回)芸術選奨、文部科学大臣賞受賞。

シュシ・スライマン

1973年マレーシア生まれ。現在、東南アジア出身の重要な現代アーティストのひとりと注目されています。
経理の仕事を経験した後、突然の父の死など精神的に落ち込んだ「自分自身を救い、癒すために」アート制作を始め、1996年マラ技術大学にて美術学士号取得。その後マレーシア国立美術館のYoung Contemporaries Awardを受賞し、2007年にはドクメンタ12に参加、2016年パリのカディスト美術財団で個展を開催するなど国際的に活躍してきました。
また2014年からはマレーシアのアーティストプラットフォーム「MAIX」に参加。様々な領域のメンバーとのコミュニティを形成し、精力的に活動しています。

日本では2008年「エモーショナル・ドローイング」(東京国立近代美術館 / 京都国立近代美術館)、2017年「サンシャワー: 東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」(国立新美術館、森美術館、東京)、同年ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」(横浜美術館他)の出展で知られ、また、2013年から続く広島県尾道市のアーティスト・イン・レジデンス「AIR Onomichi」に継続して参加。2023年には尾道市美術館で個展を開催予定です。
作品はカディスト美術財団(フランス)、シンガポール美術館、東京国立近代美術館に所蔵されています。

シュシにとってアートは「人生とともにある」と言います。人種間の亀裂が生じている現代のマレーシア。マレーシア人の父と中国人の母を持つシュシは、自身のアイデンティティへの苦悩と探求を深めざるをえず、祖国マレーシアにおける歴史や起源、自然や産業、社会情勢の変化とアイデンティティの関係性をテーマに作品に表してきました。
ドローイング、コラージュ、インスタレーション、パフォーマンス等幅広いアプローチで作品制作する神秘的な世界観は、人間と自然、アートとの分ちがたい複雑な関係性を私達に提示します。

近年には、マレーシアのみでなく、国家という領域を超えてより古く深いものに繋がる人々の血縁や遺産、古代文明、宇宙、神話、自然や手仕事が、その土地の人々のアイデンティティとどうつながっているかという、より広い観点へと変化しています。

その土地特有の土や素材を使ってドローイングを描いてまた土に埋める、マレーシアの母の墓に生えるバラと、ベルサイユ宮殿のバラを交配させて育てるなど、自身の探求するテーマを既存のカテゴリーを飛び越えて作品に表す自由な発想は、観るものに新たな視点を与えるでしょう。

また、シュシの作品制作において、変化や過程を前提とする「現在進行形」のプロセス、人々との対話・コミュニケーション、過去のアーカイブは大きなポイントとなります。
2013年から続く「AIR Onomichi」では、元八百屋の廃屋の部材を一つ一つ調査、解体し、使用可能な材料は保存して、建築・彫刻作品に使用。他の廃材は絵画等のアートワークに変容。スタジオに籠るのではなく、様々な土地に赴き、人々と対話、アイディアを共有しコミュニケーションすることは、彼女の制作や思考において根幹となる大切なスタンスとなっているのです。

1973年  マレーシア、ムアール生まれ。
1996年  マラ工科大学芸術学部絵画専攻卒業、マレーシア
クアラルンプール在住

リチャード・タトル

リチャード・タトルは1941年アメリカ、ニュージャージー州生まれ。ニューヨークとニューメキシコを拠点に活動しています。ハートフォードのトリニティ・カレッジで哲学と文学を学び、1963年に卒業。1965年24歳の時にニューヨークのベティ・パーソンズギャラリーで初個展を行い、1975年34歳の時、ホイットニー美術館で個展を開催。その展示は反響を呼び、様々な物議を醸しました。国際展では、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1976年、1997年,2001年)、ドクメンタ(1972年、1977年、1987年)、ミュンスター彫刻プロジェクト(1987年)、またホイットニー・ビエンナーレにも3回(1977年、1987年、2000年)参加しています。

このようにリチャードタトルは、ポスト・ミニマリズムの代表的なアーティストというだけでなく、そのカテゴリーや時代、ジャンルを超えて、常にアートシーンを刺激し、活躍してきたアーティストといえるでしょう。日本では、世界屈指のアートコレクター ヴォーゲル夫妻のドキュメンタリー映画『ハーブ&ドロシー』(佐々木芽生監督)に、作品とともに登場したことでも広く知られています。

最近の主な展覧会として、2005年から2007年までサンフランシスコ近代美術館、ホイットニー美術館他アメリカ国内を巡回した大回顧展「The Art of Richard Tuttle」、また、2014年ロンドンのテート・モダンとホワイトチャペルギャラリーで同時開催した個展「I Don’t Know, Or The Weave of Textile Language」において、布を使用した巨大な彫刻作品をテート・モダンのTurbine Hallに展示し大きな反響を呼びました。作品はニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館ほかアメリカの主要な美術館、ステデリック美術館(オランダ)、テート・モダン(イギリス)、ポンピドゥー・センター(フランス)、ルードヴィヒ美術館(ドイツ)など、世界の数多くの美術館に所蔵されています。日本では国立国際美術館(大阪)がコレクションしています。

1941 Born in Rahway, NJ
1963 B.A. Trinity College,Hartford, CT
Lives and works in New York and New Mexico, USA

長井朋子

長井朋子の絵の中に描かれている森や部屋の背景には、たくさんの動物たちやこどもたち、色とりどりの木やキノコなどが、まるで劇場のように配置されています。様々なモチーフが散りばめられた絵はどれも、空想の物語の世界を凝縮したような躍動感とイメージの層が複雑に重なり合う独特の空間性をもっています。多彩なマチエールや筆致が不思議なリズムとなり、まるでひとつの音楽を奏でているかのような表現を試みています。鑑賞者は実際に展示空間の中に立ち、絵と対峙することでこの旋律を感じ、また自分が子どもだった頃の懐かしい感覚や思い出、その頃みた夢など、いつの間にか自身の記憶と経験が作品世界と接続し、絵の中に入り込んだかのような感覚を覚えます。

長井朋子は1982年愛知県生まれ。2006年に愛知県立芸術大学を卒業し、現在は東京にて制作活動を行っています。2008年、東京オペラシティーアートギャラリーProject Nでの個展をはじめ、その後も京都、鹿児島、香港、シンガポールなどで個展を開催してきました。また2010年の「VOCA展2010 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京)に出展したほか、海外では、2011年のヴェネツィア・ビエンナーレ関連企画展「Future Pass – From Asia to the World」(Palazzo Mangilli Valmarana、ヴェネツィア)や、ソウル(Gana Art Center、2011年)、グルノーブル(Le Magasin – Centre National d’Art Contemporain、2011年)、ベルリンでのグループ展(me Collectors Room Berlin、2010年)などに出品しています。そのほか東日本大震災の被災地である宮城県七ヶ浜にある遠山保育所(設計:髙橋一平建築事務所。2013年に竣工)の再建に際し、園児のための屋外プールに絵を描くプロジェクトに携わりました。NHK Eテレの番組「時々迷々」(2010年〜)のオープニングタイトルや番組内のアートワーク、同じくNHK Eテレの「もやモ屋」(2019年〜)に作品を提供するなど、美術館やギャラリーでの作品展示に限らず幅広く活動しています。本の装画も手がけており、片桐はいりさん『もぎりよ今夜も有難う』 (キネマ旬報社、2010年)、原田マハさん『旅屋おかえり』(集英社文庫、2014年)、藤野千夜さん『時穴みみか』(講談社、2015年)などの表紙に作品が使用されています。2017年には初の本格的作品集「Thousands of Finches」を刊行。作品は高橋コレクション(日本)、オルブリヒト・コレクション(ドイツ)、ザブラドウィッチ・コレクション(イギリス)、ジャピゴッツィコレクション(スイス/アメリカ)など国内外に収蔵されています。

出版物
http://tomiokoyamagallery.com/publications/thousands-of-finches/

蜷川実花

東京生まれ。写真家、映画監督。2001年木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。映画『さくらん』(2007)、『ヘルタースケルター』(2012)、『Diner ダイナー』『人間失格 太宰治と3人の女たち』(ともに2019)監督。Netflixオリジナルドラマ『FOLLOWERS』が世界190ヶ国で配信。映像作品も多く手がける。2008年、「蜷川実花展―地上の花、天上の色−」が全国の美術館を巡回、のべ18万人を動員。2010年、Rizzoli N.Y.より写真集を出版。2012年、映画『ヘルタースケルター』にて新藤兼人賞銀賞を受賞。台北、上海などアジアを中心に大規模な個展を開催し、動員記録を大きく更新するなど人気を博し、世界的に注目を集めている。2018年熊本市現代美術館を皮切りに、個展「蜷川実花展-虚構と現実の間に-」が2021年まで全国の美術館を巡回中。

https://mikaninagawa.com/

廣瀬智央

廣瀬智央は1963年東京都生まれ。1989年多摩美術大学卒業後、1991-92年イタリア政府給費奨学生として渡伊。1996-97年ポーラ美術振興財団在外研修員としてイタリアにて研修、1997年ミラノ・ブレラ美術アカデミーを修了し、2008-09年には文化庁芸術家在外研修員としてニューヨークに滞在。現在はミラノと東京を拠点に活動しています。

主な個展に「レモンプロジェクト 03」(ザ・ギンザアートスペース、東京、1997年)、「Paradiso- Criterium 34」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城、1998年)、「2001」(広島市現代美術館、2000年)、「Heteronym」(ウンベルト・ディ・マリーノ・ギャラリー、ナポリ、イタリア、2015年)、「Flâneur」(モリーゼ州文化財団, カンポバッソ, イタリア、2016年)、「廣瀬智央 地球はレモンのように青い」(アーツ前橋、群馬、2020年)などがあり、小山登美夫ギャラリーでは7度の個展を行っています。また近年では、母子生活支援施設の母子と空の写真を交換し合う「空のプロジェクト」(前橋、2016年から2035年まで継続)など、社会との接点を意識し既存のアート活動を超えた長期的なプロジェクトも手がけています。

その他グループ展として「Neo Tokyo」(シドニー現代美術館、オーストラリア、2001年)、「睡蓮2002:蒼の彼方へ クロード・モネ × 廣瀬智央」(アサヒビール大山崎山荘美術館、京都、2002年)、「Officina Asia」(Rete Emilia Romagna、ボローニャ近代美術館、ボローニャ/Galleia Comunale d’Arte、チェゼーナ/Palazzo dell’Arengo、リミニ、イタリア、2004年)、「別府現代芸術フェスティバル2012『混浴温泉世界』」(別府市内各所、大分、2012年)、アーツ前橋のコミッションワーク「遠い空、近い空:空のプロジェクト」(アーツ前橋、群馬、2013年)、「Spatium – Stanze del Contemporaneo」(ヴィスコンティ宮殿/ ヴェッキオ宮殿、ブリニャーノ・ジェーラ・ダッダ、イタリア、2018年)など、世界各国で多くの展覧会に参加しています。

廣瀬は長年の異文化での体験を推敲し、日常的な素材を用いて視覚化した、透明感と浮遊感を伴う作品を制作しています。インスタレーション、パフォ-マンス、彫刻、写真、ドローイングなど様々なメディアによって、現実と記憶の世界が交差する世界観を生み出しています。

1963年 東京都生まれ
1989年 多摩美術大学卒業
1991-92年 イタリア政府給費奨学生として渡伊
1997年 イタリア、ミラノ・ブレラ美術アカデミー修了

https://www.milleprato.com/

福永大介

1981年東京生まれ。2004年多摩美術大学美術学部絵画科油絵専攻卒業し、2009年毎日新聞社主催による第1回絹谷幸二賞を受賞。現在は東京を拠点に制作活動を行っています。

主な個展として、「Documenting Senses ーイヌではなくネコの視点によってー」(小山登美夫ギャラリー、東京、2015年)、「ノスタルジア」(小山登美夫ギャラリー 京都、2013年)があり、主なグループ展には、「アルファにしてオメガ」(石井友人との二人展 瓜割石庭公園、山形、2020年)、「Sayonara Jupiter」(356 Mission、ロサンゼルス、2017年)、「絵画の在りか」(東京オペラシティ アートギャラリー、東京、2014)、「VOCA展2009」(上野の森美術館、東京、2009)、吉井仁美キュレーションによる「AFTER THE REALITY 2」(ダイチ・プロジェクツ、ニューヨーク、2008)などがあります。またアーティストグループMIHOKANNOの一員として、グループ展に参加しています(「Hello MIHOKANNO」トーキョーワンダーサイト渋谷、東京、2009、「GOOD NIGHT MIHOKANNO」アキバタマビ21、3331 Arts Chiyoda、2011)。

藤田匠平

藤田匠平は1968年和歌山県生まれ。1995年に京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻陶磁器を修了後、渡英。エディンバラ・カレッジ・オブ・アートにてガラス工芸を学び、1997年に同校を修了しました。陶芸家の山野千里と、スナ・フジタのユニット名での制作も行なっています。東京、京都、大阪、三重など各地で個展を多数開催。小山登美夫ギャラリーでは2度の個展を開催しています。

三宅信太郎

1970年東京生まれ。1996年多摩美術大学絵画科版画専攻卒業。現在も東京を拠点に活動を行う。
ドローイング、ペインティング、立体や、厚紙や木にドローイングを描いて型取りした「切り抜き」、自身で制作したコスチュームや着ぐるみを着てのライブドローイング、パフォーマンス、映像など、様々な表現形式を自由に取り混ぜ、機知に富んだ独創的な世界観をつくりあげる。
ひょろ長い手足の人物、動物、想像上の生物や世界、食べ物、建物などの光景を、なめらかな描線と豊かな色彩、文字の書き込みなどで密度濃く表現し、その多様で楽しい作品は世界各地で鑑賞者を魅了し続け、今まで国内のみならずイタリア、オーストリア、ベルリン、台湾など世界各国で個展を開催。
作品は、アストルップ・ファーンリ現代美術館(ノルウェー)、キステフォス博物館(ノルウェー)、グギング美術館(オーストリア)、ジャピゴッツィコレクション、ルベルファミリーコレクション(アメリカ)、高橋龍太郎コレクションに所蔵されている。

主な個展に「ふと気がつくとそこは遊園地だった」(小山登美夫ギャラリー、東京、2019年)、「VIKING AGE」(Gerhardsen Gerner、ベルリン、2013年)、「CALM CLAM」(GALERIE GABRIEL ROLT、アムステルダム、2011年)、「There are TWO TRUTHS!」(Gerhardsen Gerner、ベルリン、2009年)、「Innocy’s House」(Museum Gugging, Art/Brut Center Gugging、クロスターノイブルク、オーストリア、2007年)、「HATCHŌBORI」(Galerie Krinzinger、ウィーン、2007年)、「Beaver no Seikatsu」(Sandra and David Bakalar Gallery, マサチューセッツ芸術大学、ボストン、アメリカ、2006年)、「Minotauro contro Mostro Marino」(Galleria Suzy Shammah、ミラノ、2004年)、
「Innocy’s House」(Krinzinger Projekte、ウィーン、2004年)、「第四惑星アワー」(c/o Atle Gerhardsen、ベルリン、2004年)、「SWEET SUMMER」(小山登美夫ギャラリー、東京、2003年)など。

主なグループ展に「六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2014」(六甲オルゴールミュージアム、兵庫、2014年)、「ネオテニー・ジャパン 高橋コレクション」(霧島アートの森、鹿児島[国内巡回展:札幌芸術の森、北海道、2008-09年/新潟県立近代美術館、2009年/秋田県立近代美術館、2009年/米子市美術館、鳥取、2009-10年/愛媛県美術館、2010年])、「Berlin – Tokyo / Tokyo – Berlin」(Neue Nationalgalerie、ベルリン、2006年)、「直島スタンダード」(旧床屋、直島、香川、2006年)、「Officina Asia」(ボローニャ近代美術館、イタリア[イタリア国内を巡回:Galleria Comunale d’Arte、チェゼーナ/Palazzo del Ridotto e Galleria d’Arte Ex-Pescheria、チェゼーナ/Palazzo dell’Arengo、レミニ]、2004年)、「The Japanese Experience – Inevitable」(Ursula Blickle Stiftung、クライヒタール、ドイツ[2003年、ザルツブルグ近代美術館、オーストリアへ巡回])、「エモーショナル・サイト」(佐賀町食糧ビルディング、東京、2002年)がある。

パウロ・モンテイロ

1961年ブラジル、サンパウロ生まれ。サンパウロ美術大学のヴィジュアルアート科を卒業。現在もサンパウロにて制作活動をしています。1977年にアーティストとしての活動を初め、当初はロバート・クラム等から影響を受けたコミックを描き、雑誌の表紙などに掲載されていました。1981年からフィリップ・ガストンの後期作品に影響を受けて絵画を制作し始め、1983年には、ブラジル絵画の復興を目指したアーティストグループ「Casa7」の創設メンバーに。1985年サンパウロビエンナーレに参加し、彼らの新表現主義は、ブラジルのアートシーンの中心となっていきます。1986年、パイプや木などを使った立体彫刻の制作を開始。1994年に鉛の彫刻で第12回サンパウロビエンナーレに出展し、1999年には「Bolsa Vitae de Artes Visuais」賞を受賞しています。
2000年には、ペインティング制作を再開。2008年には、サンパウロ州立美術館でモンテイロの大回顧展が開催され、2014年ニューヨーク近代美術館(MoMA)にモンテイロ作品を20点所蔵されました。

国内外多くの展覧会に出展し、作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)、サンパウロ近代美術館、サンパウロ州立美術館、サンパウロ大学現代美術館など、多数の美術館にコレクションされています。

  • 杉戸洋 Hiroshi Sugito twenty 2004 etching, drypoint image: 35.5 x 45.0 cm frame: 37.2 x 46.6 cm ed. 20 ©Hiroshi Sugito
  • 落合多武 Tam Ochiai frisbee (orange pink) 2004 lithograph image: 70.0 x 81.0 cm frame: 77.0 x 88.0 cm ed.21 ©Tam Ochiai
  • 福永大介 Daisuke Fukunaga untitled 2010 soft pastel, color pencil on paper 36.9 x 25.9 cm ©Daisuke Fukunaga
  • Beans Cosmos 2017 Acrylic resin, artificial plant, beans, gold, diamond, plastic Φ22.0 cm ©Satoshi Hirose
  • ヴァルダ・カイヴァーノ Varda Caivano Untitled 2016 mixed media on paper image: 11.0 x 15.0 cm ©Varda Caivano
  • シュシ・スライマン Shooshie Sulaiman Pulau yang ke 9 / Island no.9 2017 matcha, watercolor on paper image: 26.0 x 36.0 cm frame: 41.5 x 42.5 cm ©Shooshie Sulaiman
  • クゥワイ・サムナン Khvay Samnang Untitled 2011 newspaper, tapioca glue 24.0 x 19.0 x 5.5 cm ©Khvay Samnang
  • 菅木志雄 Kishio Suga 内間 Inner space 2010 cement,pencil 9.0 x 5.5 x 5.5 cm ©︎Kishio Suga
  • 蜷川実花 Mika Ninagawa PLANT A TREE 2011 C-print, frame 36.4 x 24.2cm ©mika ninagawa
  • 長井朋子 Tomoko Nagai キッチン Kitchen 2012 water color,ink,pencil,color pencil,glitter,collage on paper 23.5 x 32.0 cm ©︎Tomoko Naga
  • Jeanne Dunning ジーン・ダニング The Blob 4 1999 ilfochrome mounted to plexiglass and frame 94.0 x 123.8 cm ©︎Jeanne Dunning
  • Dan Asher ダン・アッシャー Liberty and Entertainment in l.v(Las Vegas) 2002 C-print mounted on aluminum 50.0 x 33.0 cm ©︎Dan Asher
  • Jon Pylypchuk ジョン プラプチャック untitled the more i forgot you fucking over 2003 mixed media 23.8 x 22.8 cm ©︎Jon Pylypchuk
  • Gert & Uwe Tobias untitled 2008 typewriter drawing 29.7 x 21.0 cm ©︎Gert & Uwe Tobias
  • Gert & Uwe Tobias untitled 2008 typewriter drawing 29.7 x 21.0 cm ©︎Gert & Uwe Tobias
  • オノ・ヨーコ Yoko Ono 見えない花(スペシャル・ボックス・エディション) AN INVISIBLE FLOWER (special box edition) 2011 Solegraph on Japanese paper box size : 22.0 x 29.7 x 4.0 cm / 13.0 x 20.9 cm each (a set of 39 pieces, message x 1, Index x 1) ©︎Yoko Ono