三宅信太郎

「SWEET SUMMER」

SWEET SUMMER, color pencil, pencil on cardboard on wood, 54.0×71.4×0.5cm ©Shintaro Miyake

【作品紹介】

三宅信太郎は1970年東京生まれ。多摩美術大学絵画科版画専攻を卒業し、現在東京にて制作、活動を行っています。
三宅信太郎は自分が思うもっともかわいいい女の子たちを、自作の着ぐるみを着て巨大な画面に描き出します。「スイートさん」と名付けられたこのキャラクターたちは、ひょろ長い身体に対して巨大な顔を持ち、時にはキュートでセクシー、そしてヒップをスイングさせたような面白いポーズを常にとっています。
三宅の描き出すこの「スイートさん」は、背景のない画面に群像で描かれたり、どこか見たことがあるような、なつかしいような場面に存在しています。
着ぐるみを着て行うこのライブペインティングは未完成から完成への作品の物語の進行状況を提示します。絵の中からそのままで出来たような等身大の着ぐるみを着た作家は彼自身の空想的な絵画の世界の一部分であり、また見る者へのコミュニケーションの手段ともなっています。
「着ぐるみを着るのはキャラクター自身のポートレイトを描いているという表現。ただ出来上がった作品を見せるだけでは物足りなかった」と言う作家は常に一番かわいいものを生み出す力を発揮しています。着ぐるみを着るのは、観客との距離を適度に保ち、コミュニケーションをとるために生まれたアイデアだそうです。
また、三宅は数々のライブペインティングを行っています。2002年佐賀町食糧ビルで行なわれた「エモーショナル・サイト」展では、約1,000人の観衆の前で無数に舞う紙吹雪の中、歌舞伎の俳優のような着ぐるみを着てパフォーマンスを行い、10メートルを越す巨大なペインティングを制作しました。また会期中には、長さ15メートルに及ぶドローイングを完成させました。

【展覧会について】

「SWEET SUMMER」と題された今回の展覧会は、小山登美夫ギャラリーでの初めての個展となります。今回は5メートルに及ぶ巨大なドローイングや切り抜きの立体作品を展示いたします。夏休みシーズンということもあり、今回作品に登場する「スイートさん」達は夏真っ盛り。夏の風物詩、花火や海水浴、そしてスクール水着姿で展開されます。また、会期中には着ぐるみ姿でライブペインティングを行う予定です。