上田義彦

「いつでも夢を・永遠要憧憬」

上海 1999 c-print ©︎Yoshihiko Ueda

この度小山登美夫ギャラリーでは、写真家上田義彦の個展「いつでも夢を・永遠要憧憬」を開催致します。

アート写真,広告写真というカテゴリーを超え、40年以上第一線でシャッターを切り続けてきた上田義彦。誠実で一貫したまなざしで世界の最高の瞬間を捉えた作品群は、国内外で高い評価を受けてきました。

本展では、上田の代表作の一つである、1989年秋~2011年サントリーウーロン茶の広告のために中国各地(大連~海南島の海岸沿い)で撮影された作品を発表。女性のポートレートを中心に、上田自身で120cm×170cmの大きなプリントで現像、作品の美しさを軽やかに引き出すオリジナルの額装をほどこします。

【展示風景 オンラインビューイング】

また同時開催として、代官⼭ヒルサイドテラス・ヒルサイドフォーラム、gallery ON THE HILLでは、上⽥がロケの合間に35mmフィルムカメラで撮影したスナップを約200点展示。
赤々舎からは本出展作を掲載した写真集『いつでも夢を・永遠要憧憬』が刊行されます。

【本作撮影の時代
ー80年代末の中国の「遙か感」、無心な人々と生活、生きている実感】

撮影のはじまりは、80年代末の中国。まだ小さかった北京空港から見える地平線に、上田自身「遥か感」という言葉が浮かび上がってきたというその風景は、練炭や石炭の香りや煙が立ち込め、現代の発展した姿とは異なるものでした。

毎年5、6回、中国国内を移動しながら撮影。あたたかな風景や無心にまっすぐに生きている人々を目の当たりにして、「自分もその瞬間をしっかり生きている」と実感したという、上田の旅を通しての言いしれぬ喜びが作品から静かに伝わってきます。

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「当時の中国には、そんな人間臭い風景が至る所に露出していた。何か懐かしい、そして切ない風景をあちこちに感じながら、贅沢な心の旅をしていた。次のロマンチックを、ゆっくり想像できていた奇跡の時代だった。」
(上田義彦「遥かなるサントリーウーロン茶の旅」、『いつでも夢を・永遠要憧憬』、赤々舎、2023年)

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【本出展作について
ー写真の不思議な力が写し出す、時代や場所を超えた普遍的な女性像】

紺のワンピースの少女たちが楽しげに踊る姿、夏のけだるい昼間に金魚をながめ、砂浜をゆっくり歩く女性、、

そこには時代や場所を超えた、普遍的な女性像が現れているのを感じられるでしょう。

写真の不思議な力によって、広告の意図を超えて「作品」として成立する、力強さとたおやかさを存分に発揮しています。

「自身が写真を撮るという行為において、アート、広告と分けて考えるのはナンセンス」
「こうでなくてはいけないことって、この世の中に一切ないと思うんです。絵画にしても陶芸にしても彫刻にしても、正解なんてものはない、正解について考え始めたら、どんどん型通りになってゆくしかなくなる」
と語る上田の、既成概念にとらわれず本質を写し出す、まさに真骨頂と言えるでしょう。

夏の日々に目に鮮やかに映る本作をご覧に、ぜひお越しください。

【上田義彦プロフィール】

1957年兵庫県生まれ。写真家福田匡伸氏、有田泰而氏に師事した後、1982年独立。

東京ADC賞最高賞、ニューヨークADC賞等、国内外の代表的な国際デザイン賞を多数受賞。2014年日本写真協会 作家賞を受賞。同年より多摩美術大学グラフィックデザイン科教授として後進の育成にも力を注いでいる。

2011年~2018年、自身のスペースGallery 916を主宰し、写真展企画、写真集の出版プロデュースを行う。2021年には、初めて脚本、監督、撮影を手がけた映画作品「椿の庭」を公開。

主な個展に「上田義彦『Photographs』」(東京都写真美術館、2003年)、「Chamber of Curiosities」(東京大学総合研究博物館、2006年/国立台湾芸術大学芸術博物館、台北、2011年/リヨン市ガダーニュ美術館、フランス、2011年へ巡回)、「QUINAULT」(G/P Gallery、東京、2009年/Michael Hoppen Gallery、ロンドン、2010年/TAI modern、サンタフェ、2010年へ巡回)、「風景の科学 −芸術と科学の融合−」( 国立科学博物館 、東京、2019年)、「Māter」(小山登美夫ギャラリー、2022年)など。

主な写真集に『QUINAULT』(青幻舎、1993年)、『AMAGATSU』(光琳社出版、1995年)、『at Home』(リトル・モア、2006年)、『Materia』(求龍堂、2012年)、『A Life with Camera』(羽鳥書店、2015年)、『FOREST 印象と記憶 1989-2017』(青幻舎、2018年)、『椿の庭』(赤々舎、2020年)『Māter』(赤々舎、2022年)、『いつでも夢を』(赤々舎、2023年)等多数。

作品はエルメス・インターナショナル(フランス)、ケンパー現代美術館(アメリカ)、ニューメキシコ美術館(アメリカ)、フランス国立図書館(パリ)、Stichting Art & Theatre(オランダ)に所蔵されている。
https://www.yoshihikoueda.com/

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プレスに関するお問い合わせ先:
Tel: 03-6459-4030 (小山登美夫ギャラリー オフィス)
Email: press@tomiokoyamagallery.com
(プレス担当:岡戸麻希子)
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  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • Installation view from “Dream Always” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2023 ©Yoshihiko Ueda photo by Kenji Takahashi
  • 福建省 1995 c-print ©Yoshihiko Ueda
  • 上海 1999 c-print ©︎Yoshihiko Ueda
  • 北京 1998 c-print ©︎Yoshihiko Ueda
  • 厦門 2011 c-print ©︎Yoshihiko Ueda