現代日本のアーティストシリーズ、第4回目は渡辺豊の個展です。渡辺は1981年東京都生まれ。2007年武蔵野美術大学大学院油絵コース修了。人工物と自然とが入り交じった、奇妙な構築物で風景を描きます。固有色とはかけ離れた独特の色彩と相まって、渡辺が描く複雑怪奇な風景をのぞけばのぞくほど、私たちは画面に踊る「枝のようなもの」や、背景にたたずむ「家のようなもの」に、既視感と戸惑いを覚えるのです。本展では新作ペインティング21点を展示致します。「名も無い場所の名も無い空き地を想像し、その場に残る力や記憶を、具体化、再構築しています」と語る作家のさらなる挑戦を、どうぞご高覧ください。