芸術か否かという問題の上に、写真はある─ 。 そう断言する篠山は、50年代後半から今日まで常に時代を先駆け話題をさらい、第一線で活躍し続けてきました。今まで美術館での回顧的な展覧会を拒みつづけてきた篠山が満を持して世に問う、国内美術館初の大規模な個展「篠山紀信展写真力 THE PEOPLE by KISHIN」(東京オペラシティ アートギャラリー、2012年10月3日~12月24日)にあわせ、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryでは「篠山紀信展」を開催致します。 本展では、1969年に撮影された写真を中心に60年代の作品を集めた写真集「THE SIXTIES by KISHIN」(2011年発刊)掲載作品の中から、「カルメン・マキ」「win」「Girls of BASARA」シリーズの当時の貴重なヴィンテージプリント作品を展示致します。1969年は、ベトナム戦争、アポロ11号の月面着陸、東大安田講堂の攻防戦や赤軍派による大菩薩峠事件など、創造と破壊によるカオスの年ともいえる一年でした。これらの作品はこの1969年の一年に集中して撮られており、また「東京写真の60年代」を考える上で重要な作品群といえます。この機会に是非ご高覧下さい。
協力:G/P gallery
参考資料:後藤繁雄「篠山紀信、反復し続けるゼロ点/「Sixties」から「ATOKATA」へ」『THE SIXTIES by KISHIN』2011年 パイインターナショナル