【クゥワイ・サムナン × 今村有策(トーキョーワンダーサイト館長)トークイベント】
8/ COURT、渋谷ヒカリエ8階 (8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryとなり)
2015年10月21日(水)18:00〜19:30
開場/17:45
入場無料、ご予約不要
主催/小山登美夫ギャラリー
協力/トーキョーワンダーサイト
ご予約不要、開場後、自由席でのご案内になります。ぜひ皆様お誘い合わせの上、お越しください。
カンボジアで最も重要な若手アーティストの一人であるクゥワイ・サムナンは、写真、ビデオ、インスタレーション、彫刻、そしてパフォーマンスなど様々なアプローチによって、歴史、文化、様々な事象についての新たな視点、解釈を探求しています。主にカンボジアという特定の文脈におけるテーマをとりあげますが、彼の作品は往々にして普遍的なものも映し出します。
土地にまつわる流動性、歴史性、継続する社会的・政治的な問題に彼は興味をもってきました。
写真、ビデオ作品「Untitled」(10〜11年)は、開発のために埋め立てられ、住民が立ち退きになったプノンペンの湖で、アーティスト自身が砂をかぶるというパフォーマンスを収めたものです。
「何かについて学びたければ、十分に時間を費やし、そして本当に楽しまなければならない」。そう話すクゥワイの作品はユーモアに満ちたものが多く、今回展示する「Enjoy My Sand: Samnang Cow Taxi in Singapore」は、人間の髪の毛で作った大きな牛の角を頭につけ、シンガポールにあるビーチで出会った人々をおんぶするというパフォーマンスを収めたものです。この「Cow Taxi」シリーズのパフォーマンスは、2010年に彼がトーキョーワンダーサイトのレジデンスに滞在中、浅草で手製の人力車を使って行われ、翌年カンボジアでも行われています。「Enjoy My Sand」は土地・資源管理をめぐる地政的、経済的な問題に対する彼のユーモラスな批評であり、そこには埋め立てが盛んに行われ、海岸線が常に拡大するシンガポールへ、カンボジアから砂が輸出されているという背景があります。一見滑稽な行為のように思えるパフォーマンスの中に、何層も意味や象徴性、問題提起をもたせるのがクゥワイの作品の特徴といえます。