長井朋子

「子供と梟と灰色ネコもキラキラの日曜日」

きいろい子 gold child 2008 oil, acrylic on canvas 72.8 × 60.5 cm ©Tomoko Nagai

<作品紹介>
長井朋子は、永遠の少女性とも言うべきモチーフを散りばめた壮大な物語世界を、画面いっぱいに描きます。熊や猫、羊、馬などたくさんの動物たち、幼い少女や奇妙な架空の生き物、色とりどりの木々やキノコが、クラシックバレエの舞台背景のようにも見える劇場的空間の中に、おもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかさで溢れ出します。作家自身が子供の頃によくしていたという人形遊びを彷彿とさせる装飾的なインテリアから、童話の絵本に出てくるような暗い森、あるいは宇宙空間まで、作家の空想はどこまでも広がっていきます。
絵画平面にとどまることなく、近年インスタレーションにも挑戦する長井は、自分だけの「人形の家」を懸命に作り上げているかのようです。ふわふわのフェイクファー、輝くシャンデリア、人形の動物たち、美しい鏡、トランプや世界地図—さまざまな小道具が作家の演出によって自由に配置され、私たち鑑賞者が扉を開けて入ってくるのを、じっと待ち受けているのです。

<展覧会について>
小山登美夫ギャラリーでの初の個展となる本展では、大ペインティング10点に加え、小ペインティングとドローイング多数を出展致します。また、作品の世界から飛び出して来たような、様々なヴァリエーションのドールハウスや、家族の肖像写真を入れておくようなデコラティヴなフレームに入ったドローイング、小さな人形たちのインスタレーションも展示されます。是非この機会にご高覧ください。