この度小山登美夫ギャラリー京橋では、柏原由佳展「Changing in the Light – 光のなかで変わる」を開催いたします。本展では「やんばるアートフェスティバル2024-2025　山原本然」での出展作と、その後描いた最新作を発表します。

【本展覧会および出展作に関して
ー沖縄の景色と人々との出会いで得た、新たな表現と自身の魂の声】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

光それ自体は、目に直接見えない
しかし何かに反射することで初めて「見える」ようになる

太陽の光も
雲や水や塵に当たると「光の筋」が見え
窓辺のホコリがキラキラし「光が在る」と感じる

目には見えないけれど
その存在はちゃんと「感じる」ことができるもの

見えないその存在が
誰かに届いたとき、私に届いた時
優しく反射して、その人の心にあたたかく残る
見えなくても、確かにそこにあるもの
すでにそこにあるもの

そんなようなものが描きたいのかもしれません

柏原由佳

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

海や大地、自然の根源的なエネルギーを、青、ピンク、グリーン、茶色等の透明感ある色彩により鮮やかに表現する柏原由佳。作品には人間も動物も登場しませんが、作家独自の視点を通すと気配や空気、光といった見えない何かの生命力が映し出されているようで、異次元を垣間見たような不思議なパワーとざわめきを感じます。

これまで柏原は長く住んだドイツでの経験をふまえ、様々な風景からのインスピレーションと記憶を、森や湖、山、洞窟など時空をこえた心象風景として描いてきました。しかし今年2025年1-2月に「やんばるアートフェスティバル2024-2025　山原本然」 に参加したことが、柏原にとって、作品や自身に対しての大きな変化が現れる重要な転機となりました。

沖縄の様々な場所でスケッチをし、感じた記憶をたよりに、3ヶ月間の滞在制作。
その生活のなか貝拾いが日常になり、拾った貝を眺めていると、その模様がまるで山水画のように果てしなく広がるようで、今まで見えなかったものたちが繋がっていく衝撃的な体験だったといいます。

与那覇岳で人気のないジャングルを歩き回り、キラキラ浮遊する葉っぱたちが宇宙に浮く星のようだった感動を描いた「Yonaha」。久高島のイシキ浜でスキューバダイビングをしたら、海の珊瑚の連なりがラオスで登った雄大な山々と重なって見え、浮遊しながら登山しているような神秘的な感覚を表した「Ishiki」など、まるで原始の記憶と自分の内側の景色と認識できていなかったもう片側の世界が繋がった時に、そこに光が差して、新しい世界が開いていくようだったと言います。

光を追いかけ、他者の視点や発言を気にしていた過去。自分の声、魂の声は探すから見つからない。その光はすでにそこにあったことへの気づき。
柏原は新たな経験により、構図や難しいことを考えずに心のままに描き、情報や常識にとらわれない自分の感じる「見えない美しさ」を表すようになりました。
自分は何者なのか、何のために生きるのかを知るために絵を描く。その柏原の熱く真摯な姿勢を通し、鑑賞者も自己の存在や思考、意識、周りのもの、人、環境、自然を新たな視点で捉え直すきっかけを与えられるのではないでしょうか。
この柏原の新しい挑戦をご覧に、ぜひお越しください。

柏原由佳、アーティスト情報：
https://tomiokoyamagallery.com/artists/yuka-kashihara/

—————————————————————————————–
プレスに関するお問い合わせ先:
プレス担当：岡戸麻希子
Email: press@tomiokoyamagallery.com
Tel: 03-6459-4030 （小山登美夫ギャラリー オフィス）
————————————————————————————