デニス・ホリングスワースは1956年スペイン、マドリッド生まれ。現在はスペインのトサ・デ・マルと、ニューヨークにて制作活動を行っています。 ホリングスワースの作品を観ていると、あたかも作家の制作の現場を目撃しているかのような錯覚に陥ります。生き生きとした筆の運び、厚く塗られた絵の具とそれを削った跡、影。筆だけでなく厚紙で自作した道具なども用いて生まれる多様なテクスチュアは、作家自身の好奇心、制作の喜びを物語っているようです。乾いていない画面に絵筆を入れる、“wet on wet”と彼が呼ぶ手法を用いるなど、『理論が全面に出たアート』ではなく、『「ボディ」というものをアートに取り戻したい』というホリングスワースの挑戦、そこから紡がれる濃密なペインティングの世界をご堪能ください。 なお、ホリングスワースは1999年、クンストハーレ・バーゼルで行われたグループ展「Nach-Bild」にリチャード・ハミルトン、ローラ・オーウェンス等と出展した他、ドイツ、オランダ、フランス、スペイン、ニューヨーク、ロサンゼルスなど、世界各地で展覧会を開催しています。