大竹利絵子 / 川島秀明 / 小出ナオキ

グループ展「大竹利絵子・川島秀明・小出ナオキ 作品展」

installation view at 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2012

無彩色の木というシンプルな素材から神秘性を引き出し、独特の揺るぎない強さと深遠さを持つ木彫作品を制作する大竹利絵子。姿や表情は様々でありながらも、一貫して自身の心を反映させた強いまなざしの肖像を描く川島秀明。自分自身の生活や彼をとりまく環境から着想を得て、ユニークな彫刻や絵画作品をつくり出す小出ナオキ。本展では、小山登美夫ギャラリー所属のこの3人のアーティストをご紹介いたします。

作家プロフィール

大竹利絵子

1978年神奈川県生まれ。2002年東京藝術大学美術学部彫刻科卒業。2004年同大学院美術研究科彫刻専攻修了後、2007年同博士課程を修了。現在、東京藝術大学美術学部彫刻科准教授。

大竹利絵子作品の魅力は、その荒削りな木のなかに佇んでいる存在の繊細さにあります。いつかの、どこかの記憶のような夢のような人や鳥やシーンが、見る人のどこかにつながってその魅力は広がります。

主な個展に「Way in, or Out」(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京、2015年)、「たぶん、ミミ」(小山登美夫ギャラリー、東京、2012年)など。主なグループ展として、「アートのなぞなぞー高橋コレクション展 共振するか反発するか?」(静岡県立美術館、静岡、2017年)、「片山正通的百科全書Lifeishard…Let’sgoshopping.」(東京オペラシティアートギャラリー、東京、2017年)、「アトリエの末裔あるいは未来 #EXTRA」(旧平櫛田中邸、東京、2018年)、「刻まれた時間-もの語る存在」(東京藝術大学大学美術館陳列館、東京、2018年)「現代・木彫・根付 (海外巡回展)」(ベトナム日本文化交流センター、ハノイ、2018年)があります。

2005年第9回岡本太郎記念現代芸術大賞展入選。作品は高橋コレクション、ジャピゴッツィコレクションに収蔵されています。

川島秀明

川島秀明は1969年愛知県生まれ。1991年東京造形大学卒業後、1995年から2年間比叡山延暦寺での仏道修行などを経て、2001年アーティストとしての制作活動を開始しました。活動初期より川島は一貫して自意識と向き合い、顔、そしてそこに現われる繊細で複雑な感情を描き続けてきました。川島作品を観る者は、うっすら塗られた色のグラデーションの巧緻さと、時に強く、時に憂いを帯びた魅惑的な眼や表情に引き込まれ、自分とどこか繋がる部分があるような、心揺さぶられる感情を覚えるでしょう。
今までに国内外で多数の展覧会に出展しており、主な個展に「youth」(小山登美夫ギャラリー、2018年)、
「Back and Forth」(Richard Heller Gallery、アメリカ、2014年)、 「Wandering」(Kukje Gallery、韓国、2009年)があり、主なグループ展に、「Japanese Experience Inevitable」(ザルツブルグ近代美術館、オーストリア、2004年)、「ライフ」(水戸芸術館、2006年)、「アイドル!」(横浜美術館、2006年)、「Little Boy」(村上隆キュレイション、ジャパン・ソサエティー、ニューヨーク、2006年)があります。

1969年 愛知県生まれ
1991年 東京造形大学卒業

小出ナオキ

小出ナオキは1968年、愛知県生まれ。1992年に東京造形大学造形学部美術学科を卒業。現在は千葉県を拠点に制作活動を行っています。
2003年、岡田聡氏キュレーションによるグループ展「マジック・ルーム」(Project Room / 小山登美夫ギャラリー)に出展後、小山登美夫ギャラリーでは5度の個展を行っています。
その他の主な展覧会に、「カフェ・イン・水戸」(2004年、水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城)、「マジカル・アート・ライフ」(2006年、トーキョーワンダーサイト渋谷、東京)、「Fiction@Love」(2006年、MOCA Shanghai、上海、中国)、「neoneo Part1 [BOY]」(2009年、高橋コレクション日比谷、東京)、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」(2009年、新潟)「Paul Clay」(2011年、Salon 94 Bowery、ニューヨーク)「高橋コレクション展 マインドフルネス!」(2013年、鹿児島県霧島アートの森、姶良郡、鹿児島 [ 札幌芸術の森美術館、札幌、北海道 へ巡回 ])などがあります。

小出ナオキは主にFRP(合成樹脂)、セラミック、木などを用い、愛らしくもどこか不気味で不思議な立体作品で、雲のお化けやドクロなど、異界のものたちや、自身とその家族を作品化してきました。小出の作品について、美術評論家の森口まどか氏は次のように書いています。

「日常や自己の内なるところから着想する在り方は、小出にかぎらず、今日のアートシーンにあっては定跡といっても良いほどだと思うが、その場合、微温的な暮らしをそのままかたちにしても作品としての強度は持ち得ない。小出ナオキの場合、臆面もなく家族や身近な人たちとの出来事を語りながら、センチメンタリズムに堕ちず、事の本質を見据えるふてぶてしさが、アーティストとしての核をなしているように見える。」(森口まどか 「小出ナオキの現在性」『Maternity Leave』小山登美夫ギャラリー、2012年)

また、小出は滋賀県立陶芸の森で滞在制作の機会を得たこともきっかけに、2009年頃から彫刻の主な素材をFRPからセラミックに変えました。FRPにはない、いわばセラミックという素材特有の”裏切り”を、小出は「まるで、子どもが産まれてくる前の父親に産まれた後の生活が想像できないような、そして、産まれて初めてその意味がようやく理解できる感じと似ています。制作する意味、が少し分かってきたような気がしている。」(小出ナオキ「主題」『Maternity Leave』小山登美夫ギャラリー、2012年)と語ります。小出の作品には、詩情にあふれ、自伝的でありながら、鑑賞者の記憶を本質的に刺激するような魅力をもっています。

1968年愛知県生まれ
1992年東京造形大学造形学部美術学科卒業

出版物
http://tomiokoyamagallery.com/publications/in-these-days_book/