山本桂輔 / グループ展「FOUND!」丸山太郎×山本桂輔
BABY The Coffee Brew Club、東京
2024年8月31日[土]-9月13日[金]
https://baby.thecbc.jp/
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「FOUND!」丸山太郎×山本桂輔
会期: 2024年8月31日[土] – 9月13日[金]
開催場所: BABY The Coffee Brew Club内 ギャラリールーム
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-31 東急プラザ原宿「ハラカド」3F
開催時間: 11AM-8PM
キュレーション: 宮澤佳奈
協力: 小山登美夫ギャラリー(山本桂輔)
詳細: https://baby.thecbc.jp/
「ファウンド・オブジェ(found object)」とは、日用品から自然の産物まで、すでに社会や生活に存在するモノが、作品に転用される際に使われる言葉です。「ファウンド≒見出された」モノ、と言い換えることもできるでしょう。
丸山太郎の彫刻作品には、美術史的な彫刻の造形を継承しつつ逸脱させた「像」といえる要素と、現代の生活に馴染み深いファウンド・オブジェが、コントラストとユーモアをもって同居しています。木彫やスタイロフォームなどで成形された「像」は、一見無関係に見える、建材、壁紙、プラスチック製品、乾燥食品などと並列されます。そうした手つきやバランス感覚は、音楽において多岐のジャンルや年代にわたる楽曲をリミックスする行為とも親和性を持ちながら、ありとあらゆる文脈のモノや情報が同時に行き交い、私たちの認知へ作用する現代の様相に呼応しています。
山本桂輔は、彫刻と絵画、2つの表現方法を横断しながら制作を行ってきました。作品には植物、動物、鉱物などを同時に想起させる有機的なモチーフが登場し、近年「誰か(もしくは私)が使用していたであろう物や道具を削ったり、くっつけたり、彫刻した」作品群を発表します。ファウンド・オブジェの造形へ介入することは、日本人にとって馴染み深い見立てや擬人化の文化と共鳴すると同時に、当たり前とされているモノの機能や意味にズレが生じ得ることを教えてくれます。またそれと対をなすように、木彫で段ボールなどの既製品の造形をなぞった作品は、生活のための道具とアートを継ぎ目なく行き来するような、独特のテクスチャーを獲得します。
多様なモノや視覚文化が、差異を保ったまま相互効果を織りなす姿を示唆する丸山作品。既存のモノに宿る時間や生活の営みと、アーティストによる表現の境界を曖昧にする山本作品。それぞれの作品は、私たちの周りにある世界に新たな視点で何かを「見出す」ことができることを気づかせてくれます。