今回、新型コロナの影響で、カンボジアのアーティスト、クゥワイ・サムナンの展覧会ができなくなったことからこの展覧会は始まりました。
新型コロナ状況下で、マスクをしている人々。顔は見れません。初めて会った人はこの先、会わなければ一生顔を見ることはなく、知った人でも以前見た顔を想像するしかない。まあ、もちろん食事とかできればいいんでしょうが。。
そんななか、今回の「顔」のアイデアは、いま、CADAN有楽町でやっている展覧会ーあなたの「顔」が見たかった ーをキュレーションしているSprout Curationの志賀良和さんと話している時に浮かびました。小山登美夫ギャラリーでは顔を題材にしているアーティストが何人もいます。顔を描き続けるアーティストたち。その時、顔にどんな魅力や意味があるのか?ゲスト・アーティストとして、MISAKO & ROSENさんから有馬かおるさんに参加していただき、さらにギャラリーアートもりもとさんの協力で、風景画でも有名ですが、生々しく現代に通じる顔を描くと思っていた里見勝蔵さんの水彩をご遺族から出していただき加えさせていただきました。
何人かのアーティストには顔についてのコメントも寄せてもらっています。
いま、マスクをして展覧会を見ることになる皆様に、マスクのない顔の作品を見ていただきたいと思います。
小山登美夫
【本展出展の、中園孔二作品ご購入に関して】
本展に出展される中園孔二作品2点につきましては、多数のお問い合わせがあるため、「抽選による販売」 を行うことに致しました。
お申し込み方法等、詳細は下記URLをご覧ください。 ご不便をおかけいたします。
http://tomiokoyamagallery.com/news/info/face_nakazono/
【本展に際しての、アーティストコメント】
「ある日、人の顔が風景に見えた。それから、顔を風景のように描いている。(彫刻)私の中にいるファウスト。」
-有馬かおる-
「顔は空っぽのマスクである。私たちは顔を使ったり、持ち運ぶ。まるで顔が聞いたり、嗅いだり、話したり、見るゴーストであり、また空っぽのスクリーンであるかのように。顔は親密さを伝えたり、現実を生き生きとさせる解読機のような役割もあるが、ただそれは依然として私たちにとっては計り知れないものだ。他の人の顔は、人々が(私自身を含め)自分の顔、マスク、ゴースト、フィルターとは向き合えない、ということを投影するスペースでもある。」
-ディエゴ・シン-
「マスクで表情が隠れていると、コミュニケーションに一抹の不安を感じます。
顔への興味は、即ち人への関心だと思います。」
-川島秀明-
「顔は扉のようなもので、そこから色々なものが出入りします。食べ物、空気、光、音、情報、気持ち、何かわからないもの。」
-小出ナオキ-
「私が顔を描くのは一番人格を感じるモチーフだからです。
見られていると、自分が肯定されてくような気がします。」
-名知聡子-
「『Funny smile.』
汚染された「日本の肖像」 山梨のアトリエの近くの森で「食品衛生法で定められた一般食品の放射性セシウム濃度を超える放射物質が現出されました。このため山梨県富士吉田市内で発生したので、野生キノコについて、当分の間、採取、出荷及び摂取を差し控えるように。」という注意看 板が毎年季節になると出現する。 富士吉田に移り住み、その場所の樹海や原生林をテーマに自画像を描き続けてきた自画像の作品は2011年のフクシマ以降、変わっ てしまった。
あの時、セシウムが東京を越えて山梨の富士吉田の原生林に降り注いでいたのだ。 この注意看板を見た時、福島第一原発内のガンマ線測量器の不気味なグリーンの色と、90年代、少年時代に SF 映画によく見た地 球外生命体のケミカルなグリーンの色が頭の中で奇妙につながった。それ以降、富士吉田の森はグリーンのフィルターがかかったよ うに見えてくるのだ。そこに住んでいる自分にもグリーンのパウダーが降り注いだのだろうか。 今までは「自画像」は森と自我の関係を描くことだったのが、その出来事以降、私はセシウムに汚染されたグリーンの「自画像」と してポートレイトを描き続けている。それは、汚染された「日本の肖像画」でもある。」
-大野智史-
「14年前のある夜明け、4時頃…
目覚めると、姪のメーガンが私の小さなスタジオに向かって、じっと座っていた。
当時の彼女の身長と同じ高さの、ある一方向を向いていた。
彼女は4歳だった。
小さなペインティングの山々。
私は彼女の肩を揺すり、優しく声をかけた。
彼女はじっと座っていた…沈黙したまま。
数分後、彼女は寝転び目が涙で溢れていた。
私は落ち着かない気持ちになった。
メーガンは静まらない。
とはいえ…朝まで待つことにした。
朝の8時頃に日が昇り、メーガンは既に起きていた。彼女は横になったまま、また泣き始めていた。
私が窓を開けると眩しい光が射し、彼女はようやく目を開くことができた。
私は、どうしたの?と何度も尋ねたが、彼女は一言も話さなかった。
当時の私の家は古い木造だった。その家は目に見えないものたちにとても敏感で、たくさんの精霊たち(スピリッツ)と強く繋がっていた。私は全ての存在を無視し、一切を認めなかった。
お風呂の後、メーガンは話し始めた。彼女はすべてのペインティングをよそにやってほしいと頼んだ。とても、とても遠くへ…
私は彼女があまり良くないものを見たことがわかっていた。
荷物を集め、私は彼女を家まで送った。私の家でメーガンがあのような振る舞いをしたのは初めてだったので、私は原因を考え続けた。彼女はよく我が家に来ていたけれど、このようなことは一度だってなかった。彼女は少しだけ語った。私のペインティングの中の人が彼女を呼んだ、と。
それ以来、彼女はその日について語ることを拒否した。
メーガンはファティナの姪で、私の家は彼女が小さい頃の遊び場だった。彼女は私たちと一緒にいることが好きだったし、とても明るい子だった。よく話す賢い子。
ある晴れた日、私たちは彼女と、彼女の弟と一緒に昼食をとった。メーガンは12歳。私たちは怖い話をして、弟のマックスを怖がらせようとしていた。
私はメーガンにあのペインティングの件を尋ねた。彼女は緊張していたが話すことを決めた。私のペインティングから人が出てきた、と彼女は言った。顔を描いた私のペインティングの中でも、赤い顔の作品。老いた男が彼女の名前を呼び、一緒に遊ぼうと言ったという。彼女に面して座り、彼女の名前を呼び続けた。
私はそのペインティングを覚えていた。4枚シリーズのうちのひとつで、4つの要素を表していた(火、水、地、風)。私はそれら4つの顔を潜在意識によって描いていた。私は既にその絵について思い出していたが、更に詳しく知りたかった。メーガンは、とても怖かったし当時は小さかったから(4歳)その状況があまりよくわからなかった、と言った。彼女は本当にその老いた男が彼女と遊びたがっているのだと思ったし、彼女の名前を知っていることを不思議に感じたそうだ。
わたしはいわゆる精霊たち(スピリッツ)の領域、と言われるものに気づいている。マレーの伝統や文化において、このような状況に出会うことは珍しくない。アーティストが顔を描くことはよくあるが、内在的な方法を使ってエネルギーを移すようなアーティストはあまり多くはないかもしれない。私は量子論にのめり込んでいて、どうしてもそうする必要があると思った時にはいつでも父の「東のやり方」を実行してきた。その方法とは、私に内在するエネルギーで、エネルギーや波を受け取り、ある特定の空間または場所に移すこと。私はそれらと無作為に同調し、存在を目撃する。
顔たちは単なる偶然ではない。全ては在るべくして在る。」
-シュシ・スライマン-
【作家情報】
各作家の詳しい情報は、下記それぞれのリンクをご覧ください。
ダン・アッシャー
有馬かおる
川島秀明
小出ナオキ
桑原正彦
名知聡子
中園孔二
大野智史
里見勝蔵
ディエゴ・シン
シュシ・スライマン
プレスに関するお問い合わせ先:
Tel: 03-6459-4030 (小山登美夫ギャラリー オフィス)
Email: press@tomiokoyamagallery.com (プレス担当:岡戸麻希子)
川島秀明は1969年愛知県生まれ。1991年東京造形大学卒業後、1995年から2年間比叡山延暦寺での仏道修行などを経て、2001年アーティストとしての制作活動を開始しました。活動初期より川島は一貫して自意識と向き合い、顔、そしてそこに現われる繊細で複雑な感情を描き続けてきました。川島作品を観る者は、うっすら塗られた色のグラデーションの巧緻さと、時に強く、時に憂いを帯びた魅惑的な眼や表情に引き込まれ、自分とどこか繋がる部分があるような、心揺さぶられる感情を覚えるでしょう。
今までに国内外で多数の展覧会に出展しており、主な個展に「youth」(小山登美夫ギャラリー、2018年)、
「Back and Forth」(Richard Heller Gallery、アメリカ、2014年)、 「Wandering」(Kukje Gallery、韓国、2009年)があり、主なグループ展に、「Japanese Experience Inevitable」(ザルツブルグ近代美術館、オーストリア、2004年)、「ライフ」(水戸芸術館、2006年)、「アイドル!」(横浜美術館、2006年)、「Little Boy」(村上隆キュレイション、ジャパン・ソサエティー、ニューヨーク、2006年)があります。
1969年 愛知県生まれ
1991年 東京造形大学卒業
小出ナオキは1968年、愛知県生まれ。1992年に東京造形大学造形学部美術学科を卒業。現在は千葉県を拠点に制作活動を行っています。
2003年、岡田聡氏キュレーションによるグループ展「マジック・ルーム」(Project Room / 小山登美夫ギャラリー)に出展後、小山登美夫ギャラリーでは5度の個展を行っています。
その他の主な展覧会に、「カフェ・イン・水戸」(2004年、水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城)、「マジカル・アート・ライフ」(2006年、トーキョーワンダーサイト渋谷、東京)、「Fiction@Love」(2006年、MOCA Shanghai、上海、中国)、「neoneo Part1 [BOY]」(2009年、高橋コレクション日比谷、東京)、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」(2009年、新潟)「Paul Clay」(2011年、Salon 94 Bowery、ニューヨーク)「高橋コレクション展 マインドフルネス!」(2013年、鹿児島県霧島アートの森、姶良郡、鹿児島 [ 札幌芸術の森美術館、札幌、北海道 へ巡回 ])などがあります。
小出ナオキは主にFRP(合成樹脂)、セラミック、木などを用い、愛らしくもどこか不気味で不思議な立体作品で、雲のお化けやドクロなど、異界のものたちや、自身とその家族を作品化してきました。小出の作品について、美術評論家の森口まどか氏は次のように書いています。
「日常や自己の内なるところから着想する在り方は、小出にかぎらず、今日のアートシーンにあっては定跡といっても良いほどだと思うが、その場合、微温的な暮らしをそのままかたちにしても作品としての強度は持ち得ない。小出ナオキの場合、臆面もなく家族や身近な人たちとの出来事を語りながら、センチメンタリズムに堕ちず、事の本質を見据えるふてぶてしさが、アーティストとしての核をなしているように見える。」(森口まどか 「小出ナオキの現在性」『Maternity Leave』小山登美夫ギャラリー、2012年)
また、小出は滋賀県立陶芸の森で滞在制作の機会を得たこともきっかけに、2009年頃から彫刻の主な素材をFRPからセラミックに変えました。FRPにはない、いわばセラミックという素材特有の”裏切り”を、小出は「まるで、子どもが産まれてくる前の父親に産まれた後の生活が想像できないような、そして、産まれて初めてその意味がようやく理解できる感じと似ています。制作する意味、が少し分かってきたような気がしている。」(小出ナオキ「主題」『Maternity Leave』小山登美夫ギャラリー、2012年)と語ります。小出の作品には、詩情にあふれ、自伝的でありながら、鑑賞者の記憶を本質的に刺激するような魅力をもっています。
1968年愛知県生まれ
1992年東京造形大学造形学部美術学科卒業
出版物
http://tomiokoyamagallery.com/publications/in-these-days_book/
1959年東京都生まれ。2021年他界。
小山登美夫ギャラリーでの個展は、1997年「棄てられた子供」、1999年「眺め」、2001年「暮らしと膿」、2005年「土地開発」、2007年「夏の終わりに」、2008年「窓」、2010年「とても甘い菓子」、2012年「夢の中だけで」、2015年「あかるい日」、2017年「fantasy land」、2019年「夏の日」、そして2020年最後の個展となる「heavenly peach」と12度開催しました。アメリカ、サンタモニカのRichard Heller Galleryでも、2001年、2008年と2度の個展を開催しています。
主なグループ展に、「TOKYO POP」(平塚市美術館、神奈川、1996年)、「The Japanese Experience – Inevitable」(Ursula Blickle Stiftung財団、クライヒタール、ドイツ、2002年、以降ザルツブルグ近代美術館、オーストリア、2004年へ巡回)、「POPjack: Warhol to Murakami」(デンバー現代美術館、アメリカ、2002年)、「Japan Pop」(ヘルシンキ市立美術館、フィンランド、2005年)、「ポートレート・セッション」(広島市現代美術館、広島/ナディッフ、東京、2007年)、「Pathos and Small Narratives」(Gana Art Center、ソウル、韓国、2011年)などがあります。
桑原は1990年代の後半から一貫して、いま住んでいる環境に対する人間の欲望による変化に着目して制作をしています。進化、効率、大量生産、加工、洗浄、商品価値を求めるのに伴う破壊、汚染などによる変化を、子供の頃からの思い出とともに、動物や風景を通して作品にしています。公害によって汚くなった海に現れたアザラシは、そこを新しい生活の場として生き抜き人々に可愛さをまきちらします。可愛いと思う心も人間の欲。その絶望的でもあり、楽園のようでもある世界が桑原の大きな魅力になってます。
名知聡子は1982年東京生まれ。2005年名古屋芸術大学美術学部を卒業、現在は愛知を拠点に制作活動をしています。小山登美夫ギャラリーでは3度の個展を開催しており、2016年には大原美術館のARCO(Artist in Recidence in Kueashiki, Ohara)プロジェクトにて、倉敷で滞在制作しました。主な展覧会に「マインドフルネス!高橋コレクション展 決定版2014」(名古屋市美術館、2013年)、「JAPANCONGO」(国立現代美術センター・グルノーブル、フランス、2011年)、「子どもアートinみえ」(三重県立美術館、2011年)、「Passion Fruits Picked from The Olbricht Collection」(me Collectors Room Berlin、ベルリン、2010年)、「花・風景 モネと現代日本のアーティストたち」(熊本市現代美術館、2009年)があります。
1982年 東京生まれ
2005年 名古屋芸術大学美術学部卒業
現在、愛知を拠点に制作活動
出版物
http://tomiokoyamagallery.com/publications/satoko_nachi-book/
1989年神奈川生まれ。
2012年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。同年「アートアワードトーキョー丸の内2012」に選出され、小山登美夫賞、オーディエンス賞を受賞。
2013年、2014年小山登美夫ギャラリーで個展を開催し、2014年東京オペラシティアートギャラリーでの「絵画の在りか」展では初の美術館展覧会に出展。
2015年7月香川の海で消息不明となり他界、享年25歳。
没後の個展として、2018年横須賀美術館にて、初の美術館での個展「中園孔二展 外縁ー見てみたかった景色」が開催されました。
主なグループ展に「NEW VISION SAITAMA 5 迫り出す身体」(埼玉県立近代美術館、2016年)、「Japanorama: New Vision of JAPAN from 1970」 (ポンピドゥー・センター・メス、フランス、2017年)、「7th Moscow International Biennale of Contemporary Art: Clouds⇄Forests」 (New Tretyakov Gallery、モスクワ、ロシア、2017年)、「DESIRE: A REVISION FROM THE 20TH CENTURY TO THE DIGITAL AGE」(Irish Museum of Modern Art、ダブリン、アイルランド、2019年)、「MOTコレクション第1期、第2期 ただいま/はじめまして」(東京都現代美術館、東京、2019年)があります。
作品は神奈川県立近代美術館、高松市美術館、東京都現代美術館に所蔵されています。
中園の作品は、この若さで多くの作品を生み出していたこと、そして作品によって実に様々な表情を見せることに驚かされます。キャンバス上で幅広の絵筆が踊るような豊かな筆触を見せるペインタリーな作品から、取り憑かれたような、クレヨンの色と線の洪水が観るものに迫ってくる作品。支持体もまた麻布や板、キャンバスなど複数の素材が使われています。抽象的な色面で画面全体を覆うことで背景の奥行きを制限し、独得な人型などの複数のモチーフを重層的に配置する事によって、限定された範囲の中に遠近感のある絵画空間を生み出しています。揺らめくモチーフが一瞬のうちに像を結び、イメージとして定着したと思ったらまた再び揺らめき始めそうな、冒険的ともいえる不思議な豊かな景色が立ち現れます。
1989年 神奈川生まれ
2012年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。
2015年 他界
大野智史は1980年岐阜県生まれ。2004年東京造形大学卒業。現在山梨県富士吉田市を拠点に、制作活動を行っています。
大野は現在富士山麓にアトリエを構え、原生林の中で自らの感覚を研ぎすましながら、自然と人工の対峙と融合、時間を探求する絵画制作を行っています。大野の制作の背景には、東西の美術史と、絵画的な表現についての分析があります。デジタル時代を象徴するようなフラットな色面構成と描写的な表現を1つの画面で拮抗させ、感覚を多層化させながら、絵画の可能性を探求します。「Prism」シリーズは、ヤモリに食べられてしまう運命ながら、街灯の光に引き寄せられるように集まっていく蛾を目撃した経験から着手したものです。それは生きとし生けるものの極限状態の体現、そして光についての科学的研究を踏まえた究極の美の表現と言えます。
主な個展として、2007年にはホノルル現代美術館で個展「Prism Violet」を行い、小山登美夫ギャラリーにて5度開催しています。
主なグループ展に、「STANCE or DISTANCE? わたしと世界をつなぐ『距離』」(熊本市現代美術館、2015年)、「『アート・スコープ 2012-2014』─旅の後もしくは痕」(原美術館、東京、2014年)、「絵画の在りか」(東京オペラシティアートギャラリー、2014年)、「リアル・ジャパネスク」(国立国際美術館、大阪、2012年)、「VOCA展、2010年」(上野の森美術館、東京、2010年)、「越後妻有アートトリエンナーレ、2009年」(福武ハウス、2009年/旧名ヶ山小学校、新潟)、「THE ECHO 展」(ZAIM 別館、横浜、2008年)などがあります。作品はビクトリア国立美術館、原美術館 ARC、トヨタアートコレクション、国立国際美術館ほか、国内外の個人コレクターにも収蔵されています。
ディエゴ・シンはアルゼンチン生まれ。ケネディー大学で社会コミュニケーション学を学んだ後、同大学院美術科を修了。2003年から04年にかけて、マイアミのMiami Light Projectにてキュレーターとして活動し、Visual Arts Programをディレクションしました。
主な展覧会に、マイアミのFredric Snizer Galleryでの個展、マイク・ケリーやワンゲチ・ムトゥ、ダグラス・ゴードンらと出展したグループ展「I Feel Mysterious Today」(パームビーチICA)、「Pinata Party」(Gavin Brown’s Enterprise、ニューヨーク)、「For all and no one」(ノースマイアミ現代美術館)、タル・Rやクリスチャン・ホルスタッド、ジョナサン・プラプチャック等と出展した「Hanging by a Thread」(ムーア・スペース、マイアミ)、「Think Warm」(小山登美夫ギャラリー)、「Drawn In Drawn Out」(フロリダ・アトランティック大学)などがあります。
ディエゴの作品はキュレーターのドミニク・モロンによって以下のように評されています。「自画像としても機能している想像的別世界を作り出し、芸術の伝統が持つ可能性をラディカルに押し広げつつあるー作品は鑑賞者を作家の自己神話的な策略へと誘い込み、現実に構築されたセルフアイデンティティーと、架空の魔法とを隔てる境界はこの上なくアンヴィバレントである。」
アルゼンチン生まれ
1999 BA, Comunicaciones Sociales, Unversidad Kennedy、アルゼンチン
2000 MA, Direccion de Arte Asociacion Argentina de Agencias de Publicidad (AAAP)、ブエノスアイレス、アルゼンチン
Art History Kennedy Universy、アルゼンチン
1973年マレーシア生まれ。現在、東南アジア出身の重要な現代アーティストのひとりと注目されています。
経理の仕事を経験した後、突然の父の死など精神的に落ち込んだ「自分自身を救い、癒すために」アート制作を始め、1996年マラ技術大学にて美術学士号取得。その後マレーシア国立美術館のYoung Contemporaries Awardを受賞し、2007年にはドクメンタ12 に参加、2016年パリのカディスト美術財団で個展 を開催するなど国際的に活躍してきました。
また2014年からはマレーシアのアーティストプラットフォーム「MAIX」に参加。様々な領域のメンバーとのコミュニティを形成し、精力的に活動しています。
日本では2008年「エモーショナル・ドローイング」 (東京国立近代美術館 / 京都国立近代美術館)、2017年「サンシャワー: 東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」 (国立新美術館、森美術館、東京)、同年ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」 (横浜美術館他)の出展で知られ、また、2013年から続く広島県尾道市のアーティスト・イン・レジデンス「AIR Onomichi」 に継続して参加。2023年には尾道市美術館で個展を開催予定です。
作品はカディスト美術財団(フランス)、シンガポール美術館、東京国立近代美術館に所蔵されています。
シュシにとってアートは「人生とともにある」と言います。人種間の亀裂が生じている現代のマレーシア。マレーシア人の父と中国人の母を持つシュシは、自身のアイデンティティへの苦悩と探求を深めざるをえず、祖国マレーシアにおける歴史や起源、自然や産業、社会情勢の変化とアイデンティティの関係性をテーマに作品に表してきました。
ドローイング、コラージュ、インスタレーション、パフォーマンス等幅広いアプローチで作品制作する神秘的な世界観は、人間と自然、アートとの分ちがたい複雑な関係性を私達に提示します。
近年には、マレーシアのみでなく、国家という領域を超えてより古く深いものに繋がる人々の血縁や遺産、古代文明、宇宙、神話、自然や手仕事が、その土地の人々のアイデンティティとどうつながっているかという、より広い観点へと変化しています。
その土地特有の土や素材を使ってドローイングを描いてまた土に埋める、マレーシアの母の墓に生えるバラと、ベルサイユ宮殿のバラを交配させて育てるなど、自身の探求するテーマを既存のカテゴリーを飛び越えて作品に表す自由な発想は、観るものに新たな視点を与えるでしょう。
また、シュシの作品制作において、変化や過程を前提とする「現在進行形」のプロセス、人々との対話・コミュニケーション、過去のアーカイブは大きなポイントとなります。
2013年から続く「AIR Onomichi」では、元八百屋の廃屋の部材を一つ一つ調査、解体し、使用可能な材料は保存して、建築・彫刻作品に使用。他の廃材は絵画等のアートワークに変容。スタジオに籠るのではなく、様々な土地に赴き、人々と対話、アイディアを共有しコミュニケーションすることは、彼女の制作や思考において根幹となる大切なスタンスとなっているのです。
1973年 マレーシア、ムアール生まれ。
1996年 マラ工科大学芸術学部絵画専攻卒業、マレーシア
クアラルンプール在住
Installation view from "face" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2020
photo by Osamu Sakamoto
Installation view from "face" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2020
photo by Osamu Sakamoto
Installation view from "face" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2020
photo by Osamu Sakamoto
Installation view from "face" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2020
photo by Osamu Sakamoto
Installation view from "face" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2020
photo by Osamu Sakamoto
Installation view from "face" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2020
photo by Osamu Sakamoto
Installation view from "face" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2020
photo by Osamu Sakamoto
Installation view from "face" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2020
photo by Osamu Sakamoto
Installation view from "face" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2020
photo by Osamu Sakamoto
Installation view from "face" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2020
photo by Osamu Sakamoto
Dan Asher ダン・アッシャー
2009
oilstick
45 x 30.5 cm
©Dan Asher
有馬かおる Kaoru Arima
鼻の下
2016
acrylic on canvas
65.2 × 53.0 cm
©Kaoru Arima
川島秀明 Hideaki Kawashima
calm
2015
acrylic on canvas
53.0 × 45.0 cm
©︎Hideaki Kawashima
小出ナオキ Naoki Koide
something new
2020
ceramic
h.22.0 × w.18.3 × d.10.4 cm
©︎Naoki Koide
桑原正彦 Masahiko Kuwahara
新種 New Species
2001
oil on canvas
72.7 × 72.7 cm
©Masahiko Kuwahara
中園孔二 Koji Nakazono
無題 Untitled (150)
c.2009
oil pastel on wood panel
22.5 x 16.0 cm
¥200,000 (税別)
©Koji Nakazono
大野智史 Satoshi Ohno
Self portrait, funny smile.
2017
oil and spray on canvas
61.2 × 51.3 cm
©︎Satoshi Ohno
里見勝蔵 Katsuzo Satomi
顔
紙に水彩
19.1 x 14.7 cm
©Katsuzo Satomi
Diego Singh ディエゴ・シン
The Chaser (hello darkness)
2007
resin, clay, tin, wood, and aluminum
195.58 x 27.94 x 27.94 cm (includes pedestal)
©Diego Singh
シュシ・スライマン
Shooshie Sulaiman
Ainu
2017-19
watercolor on cardboard
37.5 × 43.0 × 3.0cm
©︎Shooshie Sulaiman