この度、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryでは、伊藤彩とリチャード・ゴーマンの2人による展覧会「Sea Both Sides: Nothing can be everything, everything can be nothing」を開催いたします。
本展の企画は、2人がゴーマンの地元、ダブリンで出会ったことから始まりました。ゴーマンは伊藤の作品を次のように述べています。「彼女は他のアジアの若い作家の中でも、卓越した色彩感覚をもっているアーティストだ。私はとくに彼女の大きな作品を気に入っている。」
本展のタイトル「Sea Both Sides」は、ゴーマンが名付けたものです。双方が生まれ育った日本とアイルランドが、どちらも海に囲まれた島国であること。2人のアトリエが海の近くに所在し、お互いに影響を与え合う側面を持っているということを示唆しています。また、サブタイトルの「Nothing can be everything, everything can be nothing」は、ゴーマンと伊藤の2人の作品の関係性を示しています。ゴーマン曰く、「彩(伊藤)の絵は”everything”で、ぼくの絵は”nothing”だ」という考えに対し、伊藤は「”nothing”は”everything”にもなるし、”everything”も”nothing”になると思う」と答えました。そうして、意気投合した2人の思考を象徴する言葉となっています。
本展では、ゴーマンの作品からインスピレーションを受けた伊藤が、その絵に応える形で構成した油彩と立体作品を制作。2人による新作を発表します。
伊藤彩は1987年和歌山生まれ。独自のモチーフやプロセスで絵画を制作する作家です。
彼女の制作は、自分自身で制作したペインティングやドローイング、陶器の立体物、布、家具などを室内にセットし、ジオラマを作ることから始まります。そして、本人もジオラマの作品世界の中に入り込み、写真を何枚も撮りながら視覚的効果を検討したのち、ペインティングを制作するという「フォトドローイング」と呼ぶ手法をとります。2016年から2018年までの約2年間、活動拠点をアイルランドに移し、「何をテーマに作るか」より「作品とどのように向き合うか」に重きを置き始めた伊藤。2017年に参加した六甲ミーツ・アートでは、ペインティングと、発泡スチロールに和紙を貼ってつくった巨大な野菜や手などの立体作品で構成されたインスタレーションが好評を博しました。
リチャード・ゴーマンは1946年ダブリン生まれ。面と線による単純な形と純粋な色彩の絵画を制作するアイルランドの作家です。
ゴーマンはトリニティ・カレッジで経営学を学んだ後、一旦、自動車関連会社に就職するも、画家への夢を断ちがたく30歳にして美術大学へ入学。色や形、面、空間の関係性を追求する作品の数々は、欧米で高い評価を得ています。
1980年代半ばからは、ダブリンやロンドン、ミラノ、東京で定期的に個展を行っています。日本との関わりは古く、90年代初めに福井県今立町(現:越前市今立郡)で、岩野平三郎製紙所の越前和紙と出会ってからは、和紙を使用した作品も制作。定期的に日本を訪れています。近年では、2014年にエルメスのカレ・スカーフのデザインにアーティストとして採用され、2015年には、新宿伊勢丹のエルメスのショーウィンドーデザインも担当しました。
(http://fashionpost.jp/fashion/fashion-news-event/47209)
同時期に、埼玉の柳沢画廊では「Colours 3 リチャード・ゴーマン/原陽子/常田泰由」を2019年3月9日(土)から30日(土)まで開催。4月6日(土)からは茅ヶ崎市美術館で個展「リチャード・ゴーマン『形情』」が開催されます。
(http://www.chigasaki-museum.jp)
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リチャード・ゴーマンは本展と同時期に茅ヶ崎市美術館で個展を開催いたします。
リチャード・ゴーマン「形情」
会期: 2019年4月6日(土)- 6月2日(日)
詳しい情報はリンク先をご確認ください。
http://www.chigasaki-museum.jp/exhi/2019-0406-0602/
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