—生命感にあふれた硬質な空気 ジャオ・シュエビンは1967年中国北京生まれ。現在、中国上海を拠点に制作活動を行っています。 ジャオ・シュエビンの作品は、力強さと細密なディテールの優れた描写をあわせもちます。本展でご紹介する「セントラルパーク」のシリーズは、嵐に襲われた後のニューヨーク、セントラルパークのノース・ウッズ・エリアの風景を彼が目にし、その荒々しさと生命力に魅了されたことが制作のきっかけとなりました。細い筆で薄い油絵具が何度も塗り重ねられ、水の上に散り、また地面を覆う枯れた枝や落葉は冷ややかな色調に包まれて、孤独感と寂寥感が潜んでいます。また、その卓越した光線の表現によって、光と影の濃淡が豊かに描写され、モノクローム写真を想起させるとともに、中国の伝統的な水墨画との類似性が存在しています。風景画についての彼の独自の表現をぜひご高覧下さい。
ジャオ・シュエビンはニューヨーク、パリ 、上海、シンガポールなどで数多くの展覧会を行っています。小山登美夫ギャラリーシンガポール(2012年)やShanghai Gallery of Art(2011年)での個展のほか、ルーブル美術館協力の下、上海外灘美術館で2013年に開催された「From Gesture to Language」展、2009年ニューヨークのThe Drawing Centerが企画した「The Vewing Program」プロジェクトに出展しました。