この度小山登美夫ギャラリーでは、陶芸家 岡崎裕子の新作展「私を紡ぐもの」を開催いたします。
本展では、作家にとって大事な要素となる「古く、よいもの」ー幼少期からなれ親しみ、憧れた中国、韓国、北欧の陶磁器をオマージュし、自分なりの解釈で昇華した、新境地となる作品を発表いたします。
【岡崎裕子について
ー「器とともにある日常の豊かな暮らし」を自ら体現する】
岡崎裕子は1976年 東京都生まれ。1997年~3年間、株式会社イッセイ ミヤケ広報部に勤務したのち、笠間の陶芸家・森田榮一氏に弟子入り。4年半の修行の後、茨城県窯業指導所(現茨城県立笠間陶芸大学校)釉薬科/石膏科修了。2007年横須賀にて独立し、制作活動を続けています。
草花、トンボなど自然をモチーフとした清々しく温かみがある作品、華麗な経歴をふまえて陶芸家となる大胆な道のりや、丁寧な日々の生活ぶりはメディアにも多く取り上げられてきました。
「創作の源は、生活のすべてであり、己を見失うことなく穏やかに過ごすことこそが、なによりの大切な土台づくりであるのです。」
(岡崎裕子『器、手から手へ』、主婦と生活社、2010年)
そう語る岡崎は、まさに自身が「器とともにある日常の豊かな暮らし」を体現し、その世界観が多くの人々を魅了していると言えるでしょう。
【本展の新作
ー呉須の青、草花、幾何学模様の大胆な柄が、
時の重なりの新たな記憶を紡いでいく】
今回の新作は、岡崎作品の重要なルーツともなる、歴史性、時の重なりに焦点が当てられます。
爽やかな青い色合いの釉薬は、中国の骨董への憧れから呉須(古くから伝わる、染付に使われる青色顔料)を使用しています。
草花の柄は、小さい頃大好きだったスミレやパンジーに無意識に通じているといい、いままでよりさらに大胆で緻密に思うままに描かれています。金のアクセントと共に作品全体に鮮やかに展開され、新たにとりいれた幾何学模様は北欧の陶器からインスピレーションを得ました。
岡崎は、幼少期から洋の東西を問わず、「古く、よいもの」に囲まれ、育ち、みずみずしい感性を磨いてきました。
濱田庄司、河井寛次郎、スティグ・リンドベリ、ロイヤル・コペンハーゲンなど、、、両親、祖父母の家にあった思い出や、使った時の記憶、買った時の想いなど。その時々の感情や感動が、作陶へのきっかけともなり、「自分が好きである」要素を大事に取り込みながら、今の自身の視点で「いままで見たこともない」ような形として、新たな作品として花開かせています。
そこには、まるで綿々とした記憶や時間、自然や名作との出会いの感動という無垢な気持ちが織り込まれているようで、これまで作家が積み重ねてきた事象の結晶とも言えます。
伝統と革新。今回生み出した新作は、また様々な人々に用いられ、新たな記憶が紡がれていくでしょう。岡崎裕子の新たな挑戦をぜひご覧ください。
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(プレス担当:岡戸麻希子)
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