この度小山登美夫ギャラリー天王洲では、陶芸家アダム・シルヴァーマンの個展「Umi no Tsubo 海のつぼ」を開催いたします。
本展は、作家にとって弊廊での7年ぶり5度目の個展となり、海の素材を釉薬や粘土などに使用して制作された新作「Tide Jar」15点を発表いたします。
【アダム・シルヴァーマンと作品についてー独特な神秘性と、現代的な鋭い感性ー】
アダム・シルヴァーマンの陶芸作品は、溶岩や卵、惑星のような有機的な凹凸と丸みを帯び、まるで大地から生み出されたような独特の神秘性があります。それでいて作品の佇まいに洗練さが感じられるのは、シルヴァーマンが建築を学び、90年代の西海岸ストリートカルチャーの代名詞ともなる「X-LARGE」を創設した経歴を持つ、鋭い感性によるものと言えるでしょう。
10代の頃から陶芸を始め、2002年から本格的に陶芸作家としてのキャリアを歩んだシルヴァーマン。現代的な視点により、新たなアプローチで制作に取り組んできました。作品はロサンゼルス・カウンティ美術館、ナッシャー彫刻美術館、イスラエル美術館など、世界の名だたる美術館に所蔵されています。
作家の詳しい情報はこちらをご覧ください
https://tomiokoyamagallery.com/artists/adam-silverman/
【今回の新作「Tide Jar」ー海の素材と自然のパワーが織り成す、いままでにない陶芸作品】
今回の新作「Tide Jar」は、李朝末期から制作されている、月のような形や色の「Moon Jar(月壺)」からインスピレーションを得ています。
作品名となっている「Tide(潮)」は、月の力の影響で起こる潮の満ち引きを表します。この潮の力により海の波と流れが生まれ、これらの力と動き、エネルギーは穏やかなものからゆるやかに、そして激しくも変化します。
今回の新作には、土、流木、海藻、砂、貝、塩、錆びた金属など、ニュージーランドの大西洋沖と、カルフォルニア、ハワイのカウワイ島の太平洋沖で集められたものが使用されました。それらは本作の釉薬と粘土の素材となり、また、釜の中の環境や温度を極限の状態にするための添加剤として、何度も焼かれました。そこに作家自身と焼成窯による力が加わり、いままでにない意欲的な陶芸作品が誕生しました。
異なる地域の海の素材があわさり、作品の中でひとつの世界が生み出される。
そこには自然を敬愛する作家の、穏やかで力強い視点が存分に反映されています。
私たちは作品を通して、今いる場所が遥かな宇宙の一部であることを感じることができるでしょう。
未知なものへの好奇心と、不思議な自然のパワーとリズムが織り成す、シルヴァーマンの最新の作品世界。
この貴重な機会にぜひお越しください。
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(プレス担当:岡戸麻希子)
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