桑久保 徹

「A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8」

ヨハネス・フェルメールのスタジオ Johannes Vermeer’s Studio 2016 oil on canvas 181.8 × 227.3 cm ©Toru Kuwakubo

この度小山登美夫ギャラリーでは、待望の桑久保徹4年ぶりの個展「A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8」を開催いたします。

桑久保徹は、”絵を描く”という方法で、現代美術に立ち向かうためのやり方として、自分の中に架空の画家を見いだすという演劇的アプローチで制作活動をスタートしました。あえて今や古典的ともいえるゴッホのような油絵具の厚塗り技法を用い、現代的心象風景を物語性豊かに描く独自の世界は、国内外で高い評価を受けてきました。

【桑久保徹が、尊敬する画家の生涯をひとつのキャンバスに込めて描いた、究極のオマージュ絵画】

今回桑久保が取り組んだのは、尊敬する画家の生涯をひとつのキャンバスに込めて描いた「カレンダーシリーズ」。美術史の中にいる多くの作家から、桑久保のこだわりで、ピカソ、フェルメール、アンソール、セザンヌ、スーラ、ゴッホの6人を選び、彼らのスタジオを桑久保の解釈を交えた空想的、壮大な異次元空間として表現したものです。描く作品を選びながら、何を画家が考えていたのかを追体験する、究極のオマージュです。

美術史上の画家の生きた時間、制作の時間、そして彼らが生きた時代。それと今の自分の時間や制作、生活を考えると瞬く間に時間が経過しているように感じる、不思議な感覚の「不規則な時間速度」。桑久保が感じている「時」をどのように絵画作品にするかという際、自身が元々好きだったという「カレンダー」の形式にすることを思いつきます。

【描いていく時間とそれぞれの画家 フェルメールでは、全作品37点を一枚の絵に】

2014年から本シリーズの制作をスタートし、一番最初に桑久保が一番好きだというムンクを描きました。ただ構想が固まりきらずに作品としては成立せず、次にアンソールを描きます。アンソールは、以前美術館で実作品を見た時に感じたピンク色の印象が強く、桜の季節を連想させる4月に。セザンヌは空に風を感じさせるように描き、5月に。ゴッホは夏の夜の海を感じさせ8月。フェルメールは3月に描き始めたから3月、カレンダーの最初の1月といえば、カレンダーの顔となるに相応しいピカソだろう、スーラは爽やかな初夏の7月、と自身が好きな描きたい作家と、月をあわせていきました。12作品で完成するこのシリーズも、ほぼ4年の歳月をかけても、本展ではまだ月もばらばらな6ヶ月分。このカレンダーシリーズ自体が「不規則な時間速度」となっています。

フェルメールの絵では、現在確認されているフェルメールの全作品37点を全て描ききりました。ピカソのスタジオを題材にした作品では、ゲルニカのモノクロームの画面をベースに完成。ゴッホでは星空の下にゴッホの名作が並びます。

「理系で理知的な」フェルメール、「頑固な」セザンヌ、「圧倒的画力であらゆるものを芸術にしてしまう」ピカソ、「実直で、描いていて一番気持ち良かった」スーラ、、桑久保は本作品シリーズを通じて、その作家の性格や感情まで感じ取れたといいます。作家の目線で巧みに筆致やストローク、色彩を操り、代表作は画中画として、そのモチーフは画中画を飛び出して空間を多層的に構成。その作家の新しい世界観が、複雑な時間軸の交差の中で無限の広がりと圧倒的強さ、鮮やかさをもって私達に目の前に現れます。細部にわたる緻密な描写にもぜひご注目ください。

【本展覧会「A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8」について】

本展では「カレンダーシリーズ」作品ペインティング6点、ドローイング6点を展示致します。

ドローイング作品の上部にはレコードが共に額装されており、そのレコードには、桑久保が友人の音楽家日高理樹氏に制作を依頼し、その作家を題材とした音楽を録音。「レコード」という旧来の記録媒体を使用する桑久保らしい方法で、美術史の作家をテーマに絵画と音楽で挑むという複合的なアプローチにも挑戦しました。1月20日[土]18:00-20:00のオープニングレセプションにて、音楽家日高理樹氏のライブも行われる予定です。

桑久保の新たな展開が花開いた、2018年の幕開けにふさわしい今回の新作の展覧会。ぜひこの意欲作をご覧にお越しくださいませ。

*下記より、桑久保作品と共に、日高理樹氏制作の各作家を題材とした音楽をお聴き頂けます。

1. Music for Pablo Picasso, January and Toru Kuwakubo

パブロ・ピカソのスタジオ
Pablo Picasso’s Studio 
2017 
oil on canvas
181.8 × 227.3 cm 
©Toru Kuwakubo

3. Music for Johannes Vermeer, March and Toru Kuwakubo

ヨハネス・フェルメールのスタジオ
Johannes Vermeer’s Studio
2016
oil on canvas
181.8 × 227.3 cm
©Toru Kuwakubo

4.Music for James Ensor, April and Toru Kuwakubo

ジェイムズ・アンソールのスタジオ
James Ensor’s Studio
2015
oil on canvas
181.8 × 227.3 cm
©Toru Kuwakubo

5.Music for Paul Cézanne, May and Toru Kuwakubo

ポール・セザンヌのスタジオ
Paul Cézanne’s Studio
2015
oil on canvas
181.8 × 227.3 cm
©Toru Kuwakubo

7.Music for Georges Seurat, July and Toru Kuwakubo

ジョルジュ・スーラのスタジオ Georges Seurat’s Studio
2018
oil on canvas
181.8 x 227.3 cm
©Toru Kuwakubo

8.Music for Vincent Willem van Gogh, August and Toru Kuwakubo

フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホのスタジオ
Vincent Willem van Gogh’s Studio
2015
oil on canvas
181.8 × 227.3 cm
©Toru Kuwakubo

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プレスに関するお問い合わせ先:
Tel: 03-6459-4030 (小山登美夫ギャラリー オフィス)
Email: press@tomiokoyamagallery.com (プレス担当:岡戸麻希子)
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作家プロフィール

桑久保 徹

1978年神奈川県座間市生まれ。2002年多摩美術大学絵画科油画専攻卒業後、現在も神奈川県を拠点に活動を行っています。

桑久保徹は、”絵を描く”という方法で、現代美術に立ち向かうためのやり方として、自分の中に架空の画家を見いだすという演劇的アプローチで制作活動をスタートしました。あえて今や古典的ともいえるゴッホのような油絵具の厚塗り技法を用い、現代的心象風景を物語性豊かに描く独自の世界は、国内外で高い評価を受けてきました。

主な個展に、「World Citizens with the White Boxes」(小山登美夫ギャラリー、東京、2008年)、「Out of Noise」(ギャラリー・ヒュンダイ、ソウル、韓国、2010 年)、「海の話し 画家の話し」(トーキョーワンダーサイト渋谷、東京、2010年)、「忘れることができない、素晴らしい一日」(小山登美夫ギャラリー シンガポール、シンガポール、2014年)、「A Calendarf for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8」(小山登美夫ギャラリー、東京、2018年)があります。主なグループ展には「アーティスト・ファイル 2010 現代の作家たち」(国立新美術館、東京、2010年)、「あざみ野コンテンポラリーvol.2 Viewpoints いま『描く』ということ」(横浜市民ギャラリーあざみ野、神奈川、2012年)、「サイト −場所の記憶、場所の力−」(広島市現代美術館、広島、2013年) 、「グループ展東京画 ll:心の風景のあやもよう」(東京都美術館、東京、2013年)、「六甲ミーツ・アート芸術散歩 2016」(兵庫、2016年)があります。

受賞歴として、トーキョーワンダーウォール賞 (2002年)、GEISAI#5 BT/美術手帖賞・小山登美夫ギャラリー賞(2004年)、第三回絹谷幸二賞(2011年)、VOCA展2012 奨励賞 (2012年)、第3回Dアートビエンナーレ最優秀賞 (2013 )があり、作品は、高松市美術館、高橋コレクション、タグチアートコレクション、第一生命保険株式会社、ジャピゴッツィコレクションなど、国内外で数多く所蔵されています。

 

  • Johannes Vermeer's Studio(部分) ©Toru Kuwakubo
  • Installation images from “A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2018 ©Toru Kuwakubo photo by Kenji Takahashi
  • Installation images from “A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2018 ©Toru Kuwakubo photo by Kenji Takahashi
  • Installation images from “A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2018 ©Toru Kuwakubo photo by Kenji Takahashi
  • Installation images from “A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2018 ©Toru Kuwakubo photo by Kenji Takahashi
  • Installation images from “A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2018 ©Toru Kuwakubo photo by Kenji Takahashi
  • Installation images from “A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2018 ©Toru Kuwakubo photo by Kenji Takahashi