三宅信太郎

IT AIN’T NOTHING BUT THE LIFE

travel with the time (detail), acrylic,color pencil,pencil on paper, 158.0 x 433.4 cm(7pieces) ©Shintaro Miyake

【作品紹介】

三宅信太郎はドローイング、立体、パフォーマンスなど、様々な表現形式によって、独自の世界をつくりあげます。初期の代表的なモチーフ、「スイートさん」は横長の頭に小さな目鼻、短い胴体から伸びたひょろ長い手足の女の子。様々なバリエーションをもち、ドローイングだけでなく、紙や板に描かれたドローイングを切り取って裏打ちした「切り抜き」で数百点制作された彼女は、そのかわいさで鑑賞者を幸福感に包みます。手になじみ自然に描けるという理由から、ドローイングは色鉛筆が中心。平面性やモチーフの反復を特徴とするその画面は、絵巻物のように横に長いものも多く、作家の驚くほどの想像力の広がりを感じさせます。
パフォーマンスは、自身で制作した着ぐるみを着てライブドローイングをするというものです。身近なものから文化的に背景の異なるものまで、様々な対象を吸収して自分の世界に統合していく三宅が手がけてきたのは、「イノシー」などのオリジナルのキャラクター、うさぎやビーバー、クラーケンと闘うミノタウルス、蛸など。描く側と見る側の距離を近づける制作をしたいが、通常のライブペインティングはかえって近寄りがたい。そこでこの方法を思いついたといいます。また絵の中のキャラクター自身がポートレートを描いている、つまり作家自身が作品世界の一部になっているという側面もあります。体感覚的な効果が作品の枠を超えて鑑賞者にもたらされ、そこには作家、作品、鑑賞者の間の相互関係が生まれます。このような三宅の制作は、彼が芸術性と大衆性という、相容れない部分をもつ両方をうまく結びつけ、新しい可能性を模索しているということを物語っています。

【展覧会について】

本展では、三宅が最近取り組んでいる「生・死」、「時間」、「現実」といった題材の作品が展示されます。それらについて、三宅は以下のように話します。
「物事は始まると同時に必ず終わりに向かって進んでいる。・・・ただの旅行であれば終着駅についた後も時間は続いていくが、時間旅行であれば時間そのものから降りてしまうのだ。自分の意識からも。そのこと自体が最大の不安であるとともに、唯一の解決策でもある。しかしどう考えた所で、いまこの時間列車に乗ってしまっているのは事実なのだ。喜びも悲しみも、この時間という名の列車とともに。」
視覚的な面ではこれまでの作品と変わりませんが、内容は「自分自身を表現するとは」という根源的な取り組みとなります。幅約5 mのドローイング、上述の「切り抜き」などが展示されます。是非ご高覧下さい。

作家プロフィール

三宅信太郎

三宅信太郎は1970年東京生まれ。1996年多摩美術大学絵画科版画専攻卒業。現在も東京を拠点に活動を行っています。

三宅は、ドローイング、ペインティング、立体、厚紙や木にドローイングを描いて型取りした「切り抜き」、自身で制作したコスチュームや着ぐるみを着てのライブドローイング、パフォーマンス、映像など、様々な表現形式を自由に取り混ぜ、機知に富んだ独創的な世界観をつくりあげてきました。
ひょろ長い手足の人物、動物、想像上の生物や世界、食べ物、建物などの光景を、なめらかな描線と豊かな色彩、文字の書き込みなどで密度濃く表現し、その多様で楽しい作品は世界各地で鑑賞者を魅了し続けてきました。今まで国内のみならずイタリア、オーストリア、ベルリン、台湾など世界各国で個展を開催しています。

作品は、アストルップ・ファーンリ現代美術館(ノルウェー)、キステフォス博物館(ノルウェー)、グギング美術館(オーストリア)、ジャピゴッツィコレクション、ルベルファミリーコレクション(アメリカ)、高橋コレクションに所蔵されています。

主な個展
「果てしない夜景」(銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM、2018年)、東京「山頂の街」(代官山ヒルサイドフォーラム、東京、2014年)、「VIKING AGE」(Gerhardsen Gerner、ベルリン、2013年)、「a Commonplace Tale」(形而上畫廊、台北、2012年)、「CALM CLAM」(GALERIE GABRIEL ROLT、アムステルダム、2011年)、「There are TWO TRUTHS!」(Gerhardsen Gerner、ベルリン、2009年)、「エジプト ―文明への道―」(小山登美夫ギャラリー、東京、2008年)、「Innocy’s House」(Museum Gugging, Art/Brut Center Gugging、ウィーン、2007年)、「HATCHõBORI」(Galerie Krinzinger、ウィーン、2007年)、「Beaver no Seikatsu」(Sandra and David Bakalar Gallery, Massachusetts College of Art、ボストン、マサチューセッツ、2006年)、「敦盛」(小山登美夫ギャラリー、東京、2005年)、「第四惑星アワー」(℅ Atle Gerhardsen、ベルリン、2004年)、「SWEET SUMMER」(小山登美夫ギャラリー、東京、2003年)

主なグループ展
「ネオテニー・ジャパン 高橋コレクション」霧島アートの森、鹿児島(国内巡回展:札幌芸術の森、北海道、2008-09/新潟県立近代美術館、2009/秋田県立近代美術館、2009/米子市美術館、鳥取、2009-10/愛媛県美術館、2010)、「Berlin – Tokyo / Tokyo – Berlin」(Neue Nationalgalerie、ベルリン、2006年)、「直島スタンダード」(旧床屋、直島、香川、2006年)、「Officina Asia」(ボローニャ近代美術館、イタリア[イタリア国内を巡回:Galleria Comunale d’Arte、チェゼーナ/Palazzo del Ridotto e Galleria d’Arte Ex-Pescheria、チェゼーナ/Palazzo dell’ Arengo、レミニ]、2004年)、「The Japanese Experience – Inevitable」Ursula Blickle Stiftung、クライヒタール、ドイツ(2003年、ザルツブルグ近代美術館、オーストリアへ巡回)、「エモーショナル・サイト」(佐賀町食糧ビルディング、東京、2002年)

  • travel with the time 2011
 acrylic, color pencil, pencil on paper
 158.0 × 433.4 cm (7pieces) ©Shintaro Miyake
  • Answer of work : truth in the hand, fact in the hand 2011 
acrylic, color pencil, pencil on paper
 109.5 × 118.0 cm (2pieces) ©Shintaro Miyake
  • born in this world 2011
 acrylic, color pencil, pencil on paper
 109.5 × 120.0 cm (2pieces )
 ©Shintaro Miyake
  • This way pleeease 2011
 acrylic, color pencil, pencil on paper
 158.0 × 438.0 cm (8pieces)
 ©Shintaro Miyake
  • about oneself 2011
 pencil on paper
 109.5 × 79.0 cm
 ©Shintaro Miyake
  • On purpose 2011 
acrylic, color pencil, pencil on paper
 79.0 × 109.5 cm 
©Shintaro Miyake
  • However it's a.k.a. How stupid 2011
 acrylic, color pencil, pencil on paper
 109.5 × 176.5 cm
 ©Shintaro Miyake
  • calm Marching 2011 
acrylic, color pencil, pencil on paper (6pieces)
 ©Shintaro Miyake
  • It's alive now 2011 
acrylic, color pencil, pencil on paper
 201.0 × 193.0 cm (7pieces)
 ©Shintaro Miyake