ベンジャミン・バトラー

「Paintings and Drawings 2010」

Untitled (Blue,Green,Brown) 2010 oil on linen 182 × 259 cm ©Benjamin Butler

作品紹介

バトラーは、具象と抽象の境界をなぞるような、風景や木々のペインティングで知られています。今回の新作では、木のモチーフを更に分解し、より深く抽象の世界に踏み込んでいます。単純化されたフォルム、コトラストがはっきりした色、多様な痕跡とブラッシュストロークは、ピエット・モンドリアンや、アメリカ抽象表現主義のアーサー・ダヴ、ミルトン・アヴェリー、またフランク・ステラやバーネット・ニューマンの作品を想起させます。このような、装飾芸術とキッチュの要素を基準点として組み合わせながら、バトラーはコンテンポラリー・ペインティングにおいて、ユニークな瞑想的時間を提案しているとも言えるでしょう。

展覧会について

本展では、昨年から鎌倉・東京・日光に滞在し、その間に制作した新作をご紹介いたします。大ペインティング4点と小ペインティング8点、また初めて公開する、色鉛筆や水彩によるドローイング約10点もあわせて展示される予定です。是非この機会にご高覧ください。

作家プロフィール

ベンジャミン・バトラーは1975年カンザス州生まれ。1997年カンザスのエンポリア州立大学を卒業後、2000年、シカゴ・アート・インスティテュート修了。現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に制作活動を行っています。ウィーンのGalerie Martin Janda、テキサス・オースティンのLora Reynolds Gallery、ベルリンのGalerie Michael Zink、ロサンゼルスのKaryn Lovegrove Galleryなどで個展を行い、小山登美夫ギャラリーでは2007年の『Leafless Trees and Sakura』以降、3年ぶり3度目の個展です。05年ニューヨークのP.S.1で開催された『Greater New York』など、数多くのグループ展にも参加しています。

  • Installation view from “Paintings and Drawings 2010” at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, 2010 ©Benjamin Butler photo by Tsuyoshi Satoh
  • Installation view from "Paintings and Drawings 2010" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, Japan, 2010 ©Benjamin Butler photo by Tsuyoshi Satoh
  • Installation view from "Paintings and Drawings 2010" at Tomio Koyama Gallery, Tokyo, Japan, 2010 ©Benjamin Butler photo by Tsuyoshi Satoh