落合多武

木村友紀 x 落合多武 展

落合多武 Tam Ochiai meadow traveler’s restaurant guide 2012 28 x 21.5 cm, set of 29 pen and marker on paper

【展覧会について】

タカ・イシイギャラリー京都と小山登美夫ギャラリー京都は2つの個展、木村友紀「Interior 6L01〜107T」、落合多武「Meadow Traveler, Madeleine Severin(牧草地の旅行者、マデリーン・セヴェリン)」を同時開催いたします。また同期間中、TKGエディションズ京都では、木村と落合の企画によるグループ展「足りないOのために“KYTO”」(展示作家:伊藤りょう子、ニシジマ・アツシ、大木裕之)を開催いたします。

木村 友紀「Interior 6L01〜107T」 会場:タカ・イシイギャラリー京都

本展で木村友紀は、継続的に取り組んでいる「部屋の写真」を用いた新作「Interior 6L01~107T」を発表します。生活空間を写した作者不明の写真、そこに写る生活様式と、プリントのアナログ写真様式は、どちらも時代の変化に伴い衰退していきました。イメージと媒体が文字通り一体となって同じ運命を辿ったという点において、これらの写真は作家にインスピレーションを与えています。今回のインスタレーションでは、関連する9枚の白黒写真をテーマに、自立するパネル型の立体作品で展示空間を構成します。写真は構造体の一部となり、展示空間を仕切る様に配置されます。写真のイメージが示す空間は構造体によって現実空間と重ね合わされ、新たな場として甦ります。そこでは、写真同士の関係性が空間に複数の導線を導き出し、写真はフィジカルな体験へと展開されます。写真が撮られた場所から写真が置かれる場所へ、木村は視覚によるトートロジーともいえるような表現を成立させます。本展はタカ・イシイギャラリー京都における木村の初めての個展となります。

落合 多武「Meadow Traveler, Madeleine Severin(牧草地の旅行者、マデリーン・セヴェリン)」 
会場:小山登美夫ギャラリー京都

本展で落合多武は、移動する事をテーマにファブリックの上に漂白剤で描いた絵画シリーズ、辞書に掲載されている最初と最後の街を往復した映像作品、アーティストブック「meadow traveler’s restaurant guide」に掲載の28点のドローイングを展示します。このアーティストブックは、メキシコシティにあるポーランドレストランなど、その場所と料理の内容が乖離する実在するレストランの地図を描いたもの。シュルリアリスム文学に通じる背景を超えた要素の組み合わせによって現れる、「自然の中にぽっかり浮かぶmeadow(低地にある牧草地)」(同アーティストブックの落合のテキストより)のような場所を行く旅行者のためのレストランガイドです。さまざまな事物を断片化し、結びつけることで常識的な文脈を軽々と超え、自由で複雑な意味作用の共鳴、そして豊かな想像力の広がりを提示する落合。小山登美夫ギャラリーでは5年ぶりの個展となります

「足りないOのために “KYTO”」 伊藤りょう子、ニシジマ・アツシ、大木裕之/企画:木村友紀、落合多武 
会場:TKGエディションズ京都

本展は音、音楽と時間をキーワードとし、伊藤りょう子はわが子が保育園を卒園する時に文集委員として担当したページの原稿、ニシジマ・アツシは一本のピアノ線から様々な音を生み出すサウンドインスタレーション他、そして大木裕之は映像作品の編集用に描いたチャート、あるいは楽譜のようなドローイングを展示します。3人の展示作家と2人の企画者による今回の京都での展覧会が、緩やかに流れる静かな時間や、変化しながらも継続していくそれぞれの関係性をどのように表現するのか、是非ご高覧下さい。

作家プロフィール

落合多武

落合多武は1967年神奈川県生まれ。1990年和光大学卒業後に渡米し、1993年ニュ−ヨーク大学芸術学部大学院修了。現在ニューヨークを拠点に活動を行っています。

主な展覧会として、「クリテリオム16 落合多武 “ショッピングバッグ” 」(水戸芸術館、茨城、1995年)、「MOT Annual フィクション?―絵画が開く世界」(東京都現代美術館、東京、2002年)、「Flashback」(Kunstverein Freiburg、フライブルグ、ドイツ、2005年)、「夏への扉―マイクロポップの時代」(水戸芸術館、茨城、2006年)、「ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」(原美術館、2009年[ケルン日本文化会館、2009年他多数巡回])、「スパイと失敗とその登場について」(ワタリウム美術館、東京、2010年)、「横浜トリエンナーレ2011:Our Magic Hour」(横浜美術館、その他周辺地域、神奈川)などがあります。2016年には『リ、ワイルド』」(アラタニウラノ、東京)にて、映像作家の大木裕之との日本とニューヨーク間でのやりとりによる共作のドローイングや映像、その場で作り上げられた立体、など新しい試みをしました。その時に発表した「灰皿彫刻」は2017年ニューヨークのTeam Galleryでの個展「Tarragon, Like a Cat’s Belly」でも展示され大きな話題になりました。また近年では、日光でのアン・イーストマンのトレッドソン別邸プロジェクトに関わり、国内外の様々なアーティストと共にアートの実験に取り組んでいます。

落合作品は、国立国際美術館、国際交流基金、東京都現代美術館、ドイツ銀行、高橋コレクションに収蔵されています。