三宅信太郎

敦盛

installation view from ATSUMORI, 2005
 ©Shintaro Miyake

【作品紹介】

三宅信太郎の作品はドローイング、彫刻、パフォーマンスなど、様々な形を取ります。もっとも特徴的なのは、厚紙や木に女の子等のドローイングを描いて型取りした「切り抜き」というスタイル、また自身が製作した様々な着ぐるみを着て行うライブドローイングなどのパフォーマンスです。
代表的なモチーフは、「スイートさん」と名付けられた女の子。横長の顔に小さな目鼻、極端に短い胴体から伸びたひょろ長い手足の彼等は、髪型や服装こそ違え、例え泣いている表情であっても皆一様にどこか楽しげで、楽観的な印象を与えます。現代美術で近年もてはやされてきた「かわいい」という概念も、彼にとっては物事がポジティヴに見える一面、という大きなくくりでしかありません。そういった意味での「かわいい」フォルムを追求した結果でもあるスイートさんは、彼のモチーフの基本形として、ある時は1人で、ある時は群集となって登場します。
その集大成とも言える2003年の個展”SWEET SUMMER”(小山登美夫ギャラリー)以降、その形は、フォルムとして完成したスイートさんのバックストーリーを探るかのように、様々なバージョンへと変化して来ました。イタリア、ボローニャでは頭にコロッセオを戴き、ドイツでは宇宙人に変身し、ニュージーランドでは唱歌「森の熊さん」で熊とダンスをする女の子に扮する、といったように。

【展覧会について】

今回の展覧会で彼が取り上げたのは、日本の戦国時代です。
『敦盛』は、平家の若き武将平敦盛が源氏方の熊谷直実によって最期を遂げるも、熊谷もその後世の無常を憂いて出家するという源平合戦時代のエピソードで、幸若舞や能楽などの伝統芸能で古くから親まれていました。
織田信長が桶狭間の戦いにおいて、決戦前夜に舞いを踊った一節「人間五十年、下天のうちを比ぶれば夢幻のごとくなり」はあまりにも有名ですが、そのような日本史的注釈を越えた戦国スペクタクルが、彼の想像力から生まれ出ました。
合戦絵巻のような長さ4mものドローイングのほか、血湧き肉踊る合戦図や武将のドローイングは8点程、甲冑に身を包んだ武将達、或いは名も無き武士達の切り抜き作品が大小合わせ10点程に加え、今回は背丈2.5mを越える巨大な変わり兜の彫刻も出現します。
オープニング当日にはパフォーマンスも予定しております。

作家プロフィール

三宅信太郎

三宅信太郎は1970年東京生まれ。1996年多摩美術大学絵画科版画専攻卒業。現在も東京を拠点に活動を行っています。

三宅は、ドローイング、ペインティング、立体、厚紙や木にドローイングを描いて型取りした「切り抜き」、自身で制作したコスチュームや着ぐるみを着てのライブドローイング、パフォーマンス、映像など、様々な表現形式を自由に取り混ぜ、機知に富んだ独創的な世界観をつくりあげてきました。
ひょろ長い手足の人物、動物、想像上の生物や世界、食べ物、建物などの光景を、なめらかな描線と豊かな色彩、文字の書き込みなどで密度濃く表現し、その多様で楽しい作品は世界各地で鑑賞者を魅了し続けてきました。今まで国内のみならずイタリア、オーストリア、ベルリン、台湾など世界各国で個展を開催しています。

作品は、アストルップ・ファーンリ現代美術館(ノルウェー)、キステフォス博物館(ノルウェー)、グギング美術館(オーストリア)、ジャピゴッツィコレクション、ルベルファミリーコレクション(アメリカ)、高橋コレクションに所蔵されています。

主な個展
「果てしない夜景」(銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM、2018年)、東京「山頂の街」(代官山ヒルサイドフォーラム、東京、2014年)、「VIKING AGE」(Gerhardsen Gerner、ベルリン、2013年)、「a Commonplace Tale」(形而上畫廊、台北、2012年)、「CALM CLAM」(GALERIE GABRIEL ROLT、アムステルダム、2011年)、「There are TWO TRUTHS!」(Gerhardsen Gerner、ベルリン、2009年)、「エジプト ―文明への道―」(小山登美夫ギャラリー、東京、2008年)、「Innocy’s House」(Museum Gugging, Art/Brut Center Gugging、ウィーン、2007年)、「HATCHõBORI」(Galerie Krinzinger、ウィーン、2007年)、「Beaver no Seikatsu」(Sandra and David Bakalar Gallery, Massachusetts College of Art、ボストン、マサチューセッツ、2006年)、「敦盛」(小山登美夫ギャラリー、東京、2005年)、「第四惑星アワー」(℅ Atle Gerhardsen、ベルリン、2004年)、「SWEET SUMMER」(小山登美夫ギャラリー、東京、2003年)

主なグループ展
「ネオテニー・ジャパン 高橋コレクション」霧島アートの森、鹿児島(国内巡回展:札幌芸術の森、北海道、2008-09/新潟県立近代美術館、2009/秋田県立近代美術館、2009/米子市美術館、鳥取、2009-10/愛媛県美術館、2010)、「Berlin – Tokyo / Tokyo – Berlin」(Neue Nationalgalerie、ベルリン、2006年)、「直島スタンダード」(旧床屋、直島、香川、2006年)、「Officina Asia」(ボローニャ近代美術館、イタリア[イタリア国内を巡回:Galleria Comunale d’Arte、チェゼーナ/Palazzo del Ridotto e Galleria d’Arte Ex-Pescheria、チェゼーナ/Palazzo dell’ Arengo、レミニ]、2004年)、「The Japanese Experience – Inevitable」Ursula Blickle Stiftung、クライヒタール、ドイツ(2003年、ザルツブルグ近代美術館、オーストリアへ巡回)、「エモーショナル・サイト」(佐賀町食糧ビルディング、東京、2002年)

  • installation view from "ATSUMORI" Tomio Koyama Gallery, Tokyo, Japan, 2005
 ©Shintaro Miyake