ベンジャミン・バトラー

ベンジャミン・バトラー 展 LITTLE MOUNTAIN

Benjamin Butler ベンジャミン・バトラー Mountain TreeGreen 2003 oil on canvas 40.5 x 50.5cm ©Benjamin Butler

展覧会について

ベンジャミン・バトラーは1975年カンザス生まれ。2000年、シカゴ・アート・インスティチュートの美術学校を卒業。現在はニューヨークを拠点に制作活動を行っています。シカゴ、ニューヨーク、トロント、ミュンヘンなどで展覧会を開催。
愚直にもみえるベンジャミン・バトラーの山の風景絵画は、たまらなく感傷的な弱さを持つ反面、破壊的でもあります。小さなスケール、粗い絵具の塗り方は、現在の美術では特異に見えるその主題へのまじめな愛情と一致しないかもしれません。
バトラーの絵画は完全に個人的な出来事から始まりました。あるとき、祖母に自分のために風景絵画を制作することができるかどうか聞かれました。この単純な好意を引き受けたのをきっかけに、実際のスタジオでの絵画制作へと発展していきました。この情緒的な祖母からのリクエストにより生み出された主題は、作家が評価され始める作品となりました。
バトラーの絵画は美術史、大衆文化、漫画などの要素を示す部分が存在します。またこのような主題として彼の風景絵画を読み解くことは考古学的なプロジェクトとも似ています。前回のニューヨークの個展の際、バトラーは自身の作品のことを以下のリストで答えています。高陽感、共感、アメリカーナ、詩、音楽、山脈、発見、調査、祝賀、幸福、謙虚、単純性、ミニマリズム、表現派、ラブソング、田舎生活、都会生活、ランドマーク、ホールマーク、悲嘆、憂鬱、ファンタジー、楽観、記念的、魔法、ミステリアス、瞬間。
バトラーの絵画は個人的な瞬間から生まれたものであると同時に、描かれた幻覚的な豊かな色彩の風景画は実験的とも言えるでしょう。
日本で初めてとなる今回の個展では「Little Mountain」と題し、山脈の風景絵画を発表いたします。

作家プロフィール

ベンジャミン・バトラー

ベンジャミン・バトラーは1975年アメリカカンザス州、ウエストモーランド生まれ。現在オーストリアのウィーンを拠点に活動を行っています。
バトラーは山や木々、自然をモチーフとした風景画を描きます。その方法は、抽象画を描く事にも通じており、近年特に頻繁に描かれている木々の絵画は、より抽象的な要素が多く見られます。バトラーが描く単純化された木々の枝や幹のフォルムは、コントラストの明瞭な色彩によって引き立たされています。さまざまな色彩を操り、縦や斜線、三角、曲線などによる幾何学模様を描いて、具象と抽象の境界を模索するような彼独得の絵画表現を作り出しているのです。
以前彼は、美術史の異なる論点をむすびつけることに興味を持っており、ポストモダンにおいての本質はなにかという文脈において、風景画というシンプルで近代的な主題はとても重要なものと考えていました。事実、画面全体に余白を作ることなく反復されるリズミカルな線には、そのまま抽象表現主義の歴史が詰まっているかのようであり、水平垂直のリズムはモンドリアンを、単純化された色面と線との関係はフランク・ステラを彷彿とさせます。
抽象と具象の境界線をなぞるような彼の絵画は、こうしたコンポジションにおける様々な要素がありながらも、詩的で優しさがありつつ、同時に現代的なクールさも漂わせ、個人の記憶に働きかけるように鑑賞者に物静かな瞑想的時間を与えます。

バトラーは、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、ウィーン、バーゼル、ベルリンなど、世界各国の都市で個展を開催しつづけており、近年の代表的な個展に、2014年ニューヨーク、Klaus von Nichtssagend Galleryでの「Green Forest」や、2015年ウィーン、Galerie Martin Jandaでの「Another Tree, Another Forest」、2016年3月〜4月には小山登美夫ギャラリーにて「Trees Alone」を開催致しました。また、彼は2005年ニューヨーク、PS1/MOMAでの「Greater New York」を含め、国際的にも数多くのグループ展に参加しています。