映画監督のデヴィッド・リンチは、映画のみならず、若いときから絵画や写真、アニメーションや立体作品など、様々な方法で独自の表現活動を続けています。1989年レオ・キャステリ画廊で個展。2007年のパリのカルティエ現代美術財団での大回顧展「The Air is on Fire」は大成功を収めました。日本では1991年に東京の東高現代美術館、近年では2012年に、ラフォーレミュージアム原宿にて個展を行っています。また、今年7月から10月にかけて21_21 DESIGN SIGHTで行なわれる企画展「イメージメーカー展」にも作品を出展します。今回は2012年以来2回目の個展で、工房の版画の機械と裸婦をモチーフに撮影した写真シリーズ「NUDE – ATELIER IDEM 2012」と、2012年以降のリトグラフ版画を中心とした近作をご紹介します。 デヴィッド・リンチは1946年アメリカモンタナ州生まれ。画家を目指し1965年にペンシルべニア美術アカデミーに入学しました。AFI(アメリカ映画協会)の奨学金を得て1977年『イレイザーヘッド』を制作。その後、1980年『エレファント・マン』(アカデミー賞8部門ノミネート)、1986年『ブルーベルベット』(アカデミー賞監督賞ノミネート)、1990年『ワイルド・アット・ハート』(カンヌ国際映画祭パルムドール受賞)などを発表し、1989年~1991年TVシリーズ『ツイン・ピークス』では世界中でヒットを記録しました。2001年『マルホランド・ドライブ』ではカンヌ国際映画祭監督賞を、2006年には今までの業績に対してヴェネチア国際映画祭栄誉金獅子賞を受賞しています。