桑原正彦

「とても甘い菓子」

【 作品紹介】

桑原正彦の絵画作品は、現代社会に生きる私たちが普段見過ごしている世界の奇妙さを、軽妙にすくいとってみせます。都市部の淀んだ水辺に生息する奇妙な動物、体の半分がハムになってしまった畸形の豚のような生物、その他名前すらつくことのない無数のキャラクター、或はチラシや雑誌広告に毎日のように掲載される、無名の女性モデルたち・・・これらは、全てのイメージが消費されていくこの世界において、いわば最も安価な場所にいるからこそ、悲哀を帯びた聖なる美しさを秘めています。現代の都市生活者が抱える空疎な孤独感が、時にユーモラスなモチーフでやわらかな色彩とともに描かれることによって、ある種の救済としてはたらいているかのようです。

【展覧会について】

本展では、2008年から2009年の新作ペインティングを展示いたします。モデルの女の子やその部屋でこっそり一緒に暮らしているような動物たちなどが、淡い色彩で描かれた空間の中にひっそりと息づいています。

作家プロフィール

桑原正彦

桑原正彦は1959年東京都生まれ。小山登美夫ギャラリーでの個展は、1997年「棄てられた子供」、1999年「眺め」、2001年「暮らしと膿」、2005年「土地開発」、2007年「夏の終わりに」、2008年「窓」、2010年「とても甘い菓子」、2012年「夢の中だけで」、2015年「あかるい日」、そして今年2017年「fantasy land」で10度開催しており、アメリカ、サンタモニカのRichard Heller Galleryでも、2001年、2008年と2度の個展を開催しています。

主なグループ展に、「TOKYO POP」(平塚市美術館、神奈川、1996年)、「The Japanese Experience – Inevitable」(Ursula Blickle Stiftung財団、クライヒタール、ドイツ、2002年、以降ザルツブルグ近代美術館、オーストリア、2004年へ巡回)、「POPjack: Warhol to Murakami」(デンバー現代美術館、アメリカ、2002年)、「Japan Pop」(ヘルシンキ市立美術館、フィンランド、2005年)、「ポートレート・セッション」(広島市現代美術館、広島 / ナディッフ、東京、2007年)、「Pathos and Small Narratives」(Gana Art Center、ソウル、韓国、2011年)などがあります。